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鬼の御伽

鬼の御伽

鬼の御伽

作家
板倉俊之
浅田弘幸
出版社
KADOKAWA
発売日
2021-01-25
ISBN
9784048930772
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「鬼の御伽」のおすすめレビュー

インパルス・板倉俊之の新作小説『鬼の御伽』。あの「桃太郎」、「泣いた赤鬼」が大興奮のエンタメ小説に!?

『鬼の御伽』(板倉俊之/ドワンゴ:発行、KADOKAWA:発売)

 2000年代になってからだろうか、お笑い芸人さんたちによる小説が続々と登場するようになった。普段、ネタをじっくり考え、独特の世界観を構築することに長けている彼らによる小説は、いずれも発売時に話題を集めている。そんななか、2009年に小説家デビューし、以降、コンスタントに執筆活動を続けている人物がいる。お笑いコンビ・インパルスでボケを担当する板倉俊之さんだ。

 デビュー作『トリガー』は「射殺許可法」が制定された日本を舞台に、死刑執行人であるトリガーたちの姿を描くハードボイルド小説だった。その後、数年おきに『蟻地獄』『機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ』『月の炎』を上梓し、いずれも評価を得ている。そして2021年1月25日、満を持して最新作『鬼の御伽』(ドワンゴ:発行、KADOKAWA:発売)が発売された! 表紙のイラストは『テガミバチ』で知られるマンガ家・浅田弘幸さんが描き下ろしており、それだけでも本作に力が入っていることが伝わってくる。板倉さんの小説はこれで5作品目。きっとこれま…

2021/2/6

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お笑い芸人・板倉俊之(インパルス)が、新解釈で新たな御伽噺を紡ぐ最新作『鬼の御伽』(ドワンゴ:発行、KADOKAWA:発売)。本連載では、有名な童話「泣いた赤鬼」を、オリジナル要素をふんだんに盛り込んで新たなエンタメに昇華させた「新訳 泣いた赤鬼」の冒頭を5回に分けて試し読み。

『鬼の御伽』(板倉俊之 :著、浅田弘幸:装画/ドワンゴ:発行、KADOKAWA:発売)

第三章 「そろそろ、奴らと決着をつけようと思っておる」  掛け軸を背に、雷閃の正面に座している長老は、のんびりとした口調で言った。 「いつまでも、妖魔の脅威に怯えながら暮らすわけにもいかんからのう」  長老の目は白い柳のような眉に隠れているため、どこを向いているのか窺えない。右手の縁側から射し込む日光が、烏帽子を被った長老の影を畳に映している。 「それはわかりますが、しかし、どのようにして」  雷閃は正座を崩さぬまま訊く。先刻、使いの者を通じて長老の屋敷に呼び出されたのだった。 「それはな」  長老の横に立つ浄羅が口をひらいた。彼は長老と最も密にやりとりをしている、村の参謀である。髪も眉も…

2021/2/10

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インパルス・板倉俊之「『桃太郎』って疑問だらけじゃないですか?」童話モチーフの最新小説で描きたかったこと《インタビュー》

 ドワンゴのオリジナルブランドである「IIV(トゥーファイブ)」から、初の紙書籍が発売されることになった。それを手掛けるのは、人気芸人であり小説家としての顔も持つ板倉俊之さん。これまでにハードボイルドな作品を発表してきた板倉さんの最新作は、なんと「童話」がモチーフ。一体どんな作品になっているのか、板倉さんにお話を伺った。

疑問を補完したかった

 誰もが知る童話が新たな発想で生まれ変わった。作者は芸人、そして小説家としても活躍する板倉俊之さんだ。

 板倉さんの小説家デビューは2009年のこと。「射殺許可法」という法案が制定された日本を舞台にした『トリガー』を刊行し、話題を集めた。以降、コンスタントに作品を発表し、今年1月、満を持して5作目の小説を上梓した。それが『鬼の御伽』だ。本作には、板倉さんがオリジナル要素を加えた「桃太郎」と「泣いた赤鬼」の2編が、それぞれ「パーフェクト太郎」「新訳 泣いた赤鬼」と名を変え収録されている。 「『パーフェクト太郎』はテレビ番組の企画で思いついた物語だったんです。そもそも、『桃太郎』って疑問だらけじゃないですか? 犬…

2021/2/10

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鬼の御伽 / 感想・レビュー

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nobby

躍動感溢れるアクションに圧倒されつつ最後にジワジワ迫り来るシュールさはまさにインパルス!誰もが知る桃太郎と泣いた赤鬼をアレンジして描かれるのは鬼の悲哀そして人間の…「パーフェクト太郎」いやそれスーパーサイヤ人かよ!?と楽しませた上で、最後に明かされる犬・猿・雉の“仲間”やおじいさん・おばあさんの真実は悪くない!「新訳 泣いた赤鬼」は全く異なる導入に戸惑いながら超展開にもう夢中!いつぞやか人の道に反する奴らに憤り赤鬼と共に頬をつたう涙…「恥を知れ、外道が!」でもね、ラスト付け足し掌編はちょっとやり過ぎ(笑)

2023/01/10

タイ子

インパルスの板倉俊之さん作品。「桃太郎」と「泣いた赤鬼」をベースに、もしもこんな話だったら見方、考え方が違うのではという内容。「桃太郎」を「パーフェクト太郎」として、昔話を読んでて違和感や疑問を感じたところを鋭く突いているので面白い。何故桃だったのか、キビ団子一つで重労働は割に合わないだろうその訳は…。人は知らなくていいこともある、知ってしまえばそれは裏切りになる。違った講釈もいいんじゃね?と思った次第。「泣いた赤鬼」はゲーム戦線が全面に出すぎだが、鬼と人間の関係性は面白い。何より人間は怖いという事かな。

2021/10/08

ケイト

インパルス板倉さんが書いた小説。『桃太郎』『泣いた赤鬼』をベースにした新解釈おとぎ話。装画がとってもステキ!!実は鬼の方が純粋で、人間の方が狡猾で欲にまみれていたりする。案外こうだったのかもしれないと思っしまう。桃太郎はスーパーサイヤ人、もとい完全無敵なパーフェクト太郎になったらしい『そして幸せに暮らした·····ふりをした』‬(笑)なんか文章の端々にコントを思い出し、とっても面白かった。

2021/08/14

オーウェン

インパルスの板倉の新作。 やっぱり書き手としては、かなりの才能とアイデアを持っていると言わざるを得ない。 御伽というだけあり、鬼にまつわる2作。 何と言っても「パーフェクト太郎」のアイデアに尽きる。 誰もが知っている桃太郎を完璧の水準まで引き上げたという話。 始まりは一緒だが、実は家来の3匹にも裏があり、鬼にも秘密があるし、挙句の果てには桃太郎にまで秘密が。 漫画的な話でもあるが、一応のハッピーエンドという括りも見事。

2021/06/26

ポチ

元の話はお伽話の『桃太郎』と『泣いた赤鬼』。装画の物哀しさと相まって読後感も淋しさや哀しさで心がいっぱいになった。とても沁みる良い作品。インパルス板倉さん、恐るべし。別の作品も読んでみたくなった。

2021/02/28

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