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七月のテロメアが尽きるまで (メディアワークス文庫)

七月のテロメアが尽きるまで (メディアワークス文庫)

七月のテロメアが尽きるまで (メディアワークス文庫)

作家
天沢夏月
出版社
KADOKAWA
発売日
2018-04-24
ISBN
9784048938532
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「七月のテロメアが尽きるまで (メディアワークス文庫)」のおすすめレビュー

「君が死ぬときは、僕も死ぬ」何度も読み返したい、切なくも美しい青春ストーリー『七月のテロメアが尽きるまで』

『七月のテロメアが尽きるまで』(天沢夏月/KADOKAWA)

「生きていれば、いいことがある」という言葉ほど、身勝手な言葉はない。長い時間が残されている人にとっては、それは真実かもしれない。だが、わずかな時間しか残されていない人にとって、その言葉は残酷だ。しかし、身勝手だとしても、大切なあの人には生き抜いていてほしい。生きて抜いて、自分のそばにいてほしい。天沢夏月氏著『七月のテロメアが尽きるまで』(KADOKAWA)は、そんな約束を交わす少年と少女の、切なくも美しい青春ストーリーだ。

 天沢夏月氏といえば、2012年10月、投稿作「サマー・ランサー」で第19回電撃小説大賞・選考委員奨励賞を受賞したことで知られる作家。この作家の青春小説ほど、青春時代の胸の痛みを思い出させてくれるものはないのではないか。少女に襲いかかる避けようのない病と、そんな彼女を献身的に支え続ける少年。2人の切ない日々からどうして目を離すことができるだろうか。

 主人公は、過去の出来事をきっかけに人付き合いを避けながら生きてきた高校生・内村秀。彼は、ある日いつもクラスの中心にいる飯…

2018/7/30

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七月のテロメアが尽きるまで (メディアワークス文庫) / 感想・レビュー

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黎明卿(禍腐渦狂紳士タッキー)

〝許されてしまう気がするから、見たくなかった。僕は許されたくない。君の命を救えない僕を、許したくない(内村)〟人付き合いを避けてきた高校生・内村と自殺を望む記憶を失いつつある少女・飯山。自殺をしてもしなくても避けられない、痛みや苦しみを伴う決められた結末。救いがない重めなストーリーでありながら、飯山の明るい性格や内村の捻くれた性格が奏でる音が悲壮さを薄味にしている。それでも、飯山を救えない内村の苦悩や無力感がずしっとくるし、無力ながらも飯山に生きてほしいと願う内村の想いが切なく、この結末に泣いてしまった。

2018/05/22

まりも

これは記憶を失いつつある少女と、人付き合いを避けて生きてきた少年の交わした約束の行方を描いた青春物語。あぁ、いいな。天沢夏月さんの描く物語はなんでこんなに美しいんだろう。言葉では言い表せない読後感に浸らせてもらった。叙述トリックを用いたミスリードも見事だが、この作品最大の魅力はやっぱり言葉一つ一つに込められた想いだろう。まるで透明みたいに美しく、それでいて儚い。この物語の結末を見届けた後、再び読み返した時、きっとまた違った空気を感じ取れる。そう思える素敵な1冊でした。雨の日に読むと尚良いかもしれない。

2018/06/16

よっち

人付き合いを避け生きてきた高校生の内村秀。ある日クラスメイト飯山直佳が落としたUSBメモリを拾い、中身の遺書を見てしまったことから奇妙な交流が始まる青春小説。彼女が進行性の記憶障害を患って自殺したがっていると知り、関わりたくなかったのに気になって仕方ないと自覚した秀が交わしたひとつの約束。秘密と約束を共有するようになった二人に訪れた転機と、やがて明らかになってゆく秀の苦い過去があって、その全てが繋がってゆく急展開には驚かされもしましたが、決着をつけた二人のその後のありようにはしっくり来るものがありました。

2018/04/24

佳蓮★道央民

★★★★★★めっちゃ感動しました✨直佳が寿命が近づいてく話。こんなに好きな人に、生きろって言われたいな。。っていうか、こんだけ、男女と遊んでるのに関わらず、好きな人出来ないってどういうことやねん(笑)頭脳の発作って、普通の発作より、ずっと苦しくて、辛いんだろうなって思いました。私も、ASDと、ADHD持ってるけど、発作って普通でも辛いからねぇ。。私も好きな人に守られながら、旅行とか、体調とか診てもらいたいなぁ。本当にキミスイに似てたかもな!キミスイ好きな人にはお勧めです(*^_^*)

2020/03/09

さばかん

よくもまぁこれほど質の高い青春小説を次々と量産できるものだ。     素直に尊敬する。     今回は、ちょっとムカつくタイプの主人公だったが、総合的に面白かったので良し。

2018/06/04

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