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東京百景 (角川文庫)

東京百景 (角川文庫)

東京百景 (角川文庫)

作家
又吉直樹
出版社
KADOKAWA
発売日
2020-04-10
ISBN
9784048967709
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 子供の頃から眠る前に電気を消して、真っ暗な部屋の中で自分勝手にいろんなことを想像するのが好きだった。架空のサッカーチームを作ってみたり、この世にない映画の筋を考えてみたり、想像上の大会を開催して誰が優勝するかを一人で順番に戦わせてみたりする。そのまま考えながら眠れることもあるが、展開が盛り上がると興奮して目が冴えてしまうこともあった。  大人になってからも、疲れ切っていない限り、何かしら考えて眠ることにしている。たまに驚くほど面白いことを思いついたような気になるが、翌朝には何も覚えていないか、記憶が残っていたとしても無駄な戯言ばかりなのだが。  今回はその感覚を再現して書いてみることにした。都大会ではなく、「と」大会。眠れない夜にでも読んでいただけると、自然に睡魔を招喚できるかもしれない。

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2022/5/16

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 友達の別れ際の挨拶、恩師の助言、恋人の意味深な言葉。  まったく意味は分からないが、とりあえず分かったフリをしなければならないときがある。  それとは反対に時間を稼ぎたいときに自分でも理解できない意味不明な言葉を放ち、相手に言葉の意味を考えさせて有耶無耶にするときもある。  ただし、その場合「結局どういう意味なの?」と聞かれるまでに自分自身が解答に辿り着いておく必要がある。そんな状況に追い込まれたときに備えて訓練しておきたい。  まず深い意味がありそうで、実はなんの意味も無い言葉を適当に考える。  その後で、無理やり意味を考えるという練習をやってみたい。   「象の鼻と目を合わすな」 「満月を褒めるなら雨の日を待て」 「ニンジン? キュウリじゃなくって?」 「祖母の爪を風呂に入れるな」 「高級ワインのコルクになるな」 「泥に落としたしゃもじを…

2022/4/17

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東京百景 (角川文庫) / 感想・レビュー

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ponpon

又吉さんの文庫新刊。芸人を志し上京してからの遍歴・思い出を東京の随所の情景と共に語る私小説群。夢の実現を目指しつつも、故郷から離れた大都会で生きる若者の不安等の様々な感情が綴られていますが、随所に記憶に残る言葉が散りばめられ素敵な文章だと感じました。やはりNo.76「池尻大橋の小さな部屋」が、想いを吐き出している感じで良いです。また綾部さんの登場機会が僅かなのは不自然に感じていたのですが納得。二人の絆がどういうものか窺いしれます。綾部さんと西加奈子さんとの出会いが又吉さんを形成したのかな。心に沁みる一冊。

2020/06/29

Vakira

言わずと知れた芸人で芥川賞作家の又吉さんが描く東京の百の風景とその場所にいた時の自分の生業を絡めた随想。人を笑わせたい。けど人が怖い。いいな~この絶妙なバランス。どこかで嗅いだこの匂い。誰だったか?もしや?そうだ、勝手に僕の印象ですが「人間失格」の葉蔵だ。いや津島修治?道化師と人間嫌悪と不器用な生辛さと純粋な性格、金欠時代、女性との関係はひもの様。して小説家。ほらほら、案外類似しているでしょう。現代の修治さんとちょっと東京散歩。風景と一緒に一瞬垣間見る又吉さんの妄想が面白い。僕の近隣町紹介がまた嬉しい

2022/05/12

ミライ

又吉直樹さんが2013年に発表した東京エッセイの文庫版、文庫化に伴いラストに一本(2020年の今を語った)エッセイが追加されている、表紙はのん(能年玲奈)さん。パート1~4まであり、1は下積み期、2からは綾部祐二さんとのお笑いコンビ・ピース結成後が中心のエッセイとなっている。エッセイは100本+αを収録されており、99本目のエッセイ「昔のノート」に言いたいことすべてが集約されている気がする。

2020/04/13

シフォン

芸人で芥川賞作家の又吉さんが東京に出てきてから32才までの自分の生活に付随した場所や場面について書いたエッセイ。最初に住んだ三鷹のアパートは太宰治の住居跡に建っていて、そこで太宰作品を貪るように読んでいたこと、雑司ヶ谷の夏目漱石の墓や田端の芥川龍之介の旧居跡のような文豪の話もあるが、多くは、アパート、公園、養成所、劇場での芸人仲間たちとの絡みや妄想、職質を受けたことなど。高校時代は文化祭や芸人仲間でリンダリンダを踊るときは、その輪に入れない。芸人になったこと、小説などを書いている原点が垣間見えた。

2020/08/30

きき

18歳で上京し、一通りの恥をかいて32歳になった又吉が見てきた東京の風景。街中に潜む奇怪な人物との遭遇や逆に自分が職質をかけられてしまう様は笑えたり。そんな表面上の面白さの下には、鬱々とした空気が漂う。それは不死身な自意識との戦い、周囲への疑問、社会で生きる残酷さ…それら絡み合って生まれたもの。だけどそんな日常の中に時折ぽっと嬉しい事、にやりとする事があるから生きていけるのであり、それを包み込む東京という街の不思議な包容力を感じる。これは又吉が見る東京の風景の記録であり、東京を通して見る又吉の人生の記録。

2020/04/16

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