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今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私 (メディアワークス文庫)

今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私 (メディアワークス文庫)

今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私 (メディアワークス文庫)

作家
成田名璃子
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-09-25
ISBN
9784049126860
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「今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私 (メディアワークス文庫)」のおすすめレビュー

夫の浮気でバツイチになった専業主婦が、家事スキルをいかしてゴミ屋敷を変える! 自信がないシングルマザーの再生物語

※「ライトに文芸はじめませんか? 2020年 レビューキャンペーン」対象作品

『今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私』(成田名璃子/メディアワークス文庫/KADOKAWA)

 家事をきちんとこなせた朝は、それだけで良い1日の始まりを予感させる。顔が映りそうなくらいに綺麗に磨かれたフローリング。心地よい風になびく洗濯物のせっけんの香り。パリッとアイロンをかけた清潔なワイシャツ。炊き立てのご飯からふんわり立ち上る温かい湯気……。どうして家の中が整うだけで、こんなにもスッキリとした気分になるのだろう。きっと家事とは、人の「暮らし」を整えること。家事をすることは、1日を整えることと同義なのかもしれない。何もせずに享受する側はすべて「当たり前」に感じてしまいがちだが、家事をきちんとこなす主婦/主夫ほど、尊敬すべき存在はいないのだ。

 とはいえ、毎日家で家事をこなす専業主婦たちは自分に自信を失いがち。「私なんて何の取り柄もない」と自分のことを卑下している人も多いように感じる。だが、そんな必要はない。家事だって、立派なキャリアのひとつなのだ。『…

2020/2/17

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バツイチのシングルマザーが、得意の家事で奇跡を起こす!『今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私』

『今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私』(成田名璃子/KADOKAWA)

 突然ですが、掃除は好きですか? 私は微妙です。自宅を綺麗にしたところで、誰も褒めてくれないし……でも、たまに大掃除をしたあとなんかは、なんだかいい気持ちになるんですよね。どうしてだろうと思う心を解き明かしてくれたのが、『今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私』(成田名璃子/KADOKAWA)という作品です。

 主人公の涼子は、寿退社して以来、10年間家を切り回してきた専業主婦。小学3年生になる娘に弟妹をと考えていたにもかかわらず、夫の浮気が発覚し、シングルマザーになってしまう。夫の相手は、涼子とは正反対のキャリアウーマンだそう。身を寄せた実家でも、すでに兄一家が生活していて、涼子と娘の居場所はない。早いうちに身の振り方を決めなくてはと思うものの、家事しかしてこなかった自分に、なにができるというのだろう。動き出す勇気もなく、得意の家事に逃げていた涼子に、願ってもない仕事の話が舞い込んだ。隣町に住む小説家が、住み込みの家政婦を探しているとい…

2019/9/27

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読書メーター×ダ・ヴィンチ「ライトに文芸はじめませんか? 2020年 レビューキャンペーン」開催!

 日本最大級の書評サイト「読書メーター」と、本とコミックの情報誌『ダ・ヴィンチ』が連動し、イチオシのライト文芸、キャラクター文芸作品を紹介する企画「ライトに文芸はじめませんか? 2020」で、2月17日(月)よりレビューキャンペーンが実施される。

「ライトに文芸はじめませんか? 2020 レビューキャンペーン」では、対象作品を読んで読書メーターに感想を投稿してくれた方の中から抽選で80名に図書カードネットギフト2000円分が当たる。「これは!」と思う作品を読んで、感想を投稿しよう! 応募期間は2020年3月31日(火)まで。

 また、レビューキャンペーン開催に伴い、3月から全国書店を対象に「ライトに文芸はじめませんか? 2020フェア」が展開される。

【対象作品】 『どこよりも遠い場所にいる君へ』(阿部暁子/集英社) 『一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。』(冬野夜空/スターツ出版) 『薬屋のひとりごと』(日向夏/主婦の友インフォス) 『時給三〇〇円の死神』(藤まる/双葉社) 『後宮の花は偽りをまとう』(天城智尋/双葉社) 『膠着 スナマチ株式会社…

2020/2/17

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今日は心のおそうじ日和 素直じゃない小説家と自信がない私 (メディアワークス文庫) / 感想・レビュー

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鉄之助

読んでいて、自然に映像が浮かんでくるような登場人物のやり取り。『すみっこご飯』シリーズなど、いつもの成田名璃子さんの得意技だ。会話のテンポも良いが、地の文のリズムも心地よい。「無心で大根をする。ひたすらする。祝福に満ちた春の気配を無視して、さらにする、する、する。」 大好きだな~。物語は離婚したての子持ちの若い家政婦が主人公。「家事というのは立派なスキル」と言い切られて、すっきりする。能力差があるから、プロ級の腕前も評価されるのだ。部屋を整理しながら、「心も一緒に整理していた」。心から同感。

2022/03/17

三代目 びあだいまおう

爽快だったぁ!私の持論ですが、この世で最も偉い存在は『母』です。だから、昔のドラマにあった『誰のおかげで飯を食えてると思ってんだ!』というような腐れ旦那の台詞など微塵も感じたことがない。この本は、毎日家事を頑張ってくれてる母親達への応援ストーリー!365日1日も休まずに仕事って、どんなブラック企業より過酷。感謝こそすれバカにする奴は許せない!また娘の美空ちゃんが可愛いんだ!見事な再生ストーリーにも驚きました!すごく好き!私史上最多の『!』で世で頑張る全てのお母さんに感謝いたします!いつもありがとう‼️🙇

2020/03/26

ろくせい@やまもとかねよし

あとがきに「立ち直りのプロセス」を「平等な時間の使い方」で表現したとあった。物語はそれらに加え自己の孤独を認識し優しく強い「生」を描写。自己の意識が近親者と共有できない確信は絶望を生じ、その要因は自己を支えた利他。離婚を迫れる主人公の女性は、利己のほとんどを抑制させた利他が、その対象の夫の無理解だったと知り、自己安定を失う。小説家は「書く」という利己を支えた利他性への感謝が、その対象の娘と妻の死で突然断絶され、自己安定を失う。しかし、彼らの無意識で捨てきれない利他的想いやりが新しい人生を切り開いていく。

2020/03/11

さてさて

”家事は、誰にでもできることかもしれないけれど、決して万人に向いているわけではない。当然、そのレベルにもかなりばらつきが出てくる”。そんな風に成田さんが語られる物語には『家事のプロ』として新たな人生をスタートした涼子の歓喜と苦悩の日常が描かれていました。様々な『家事のプロ』の技の数々に、なるほど!と参考になる記述盛りだくさんのこの作品。猫のコヨーテの存在が物語に柔らかい雰囲気感を終始醸し出すこの作品。『家政婦』を主人公とした物語の中に、人が抱える苦悩とそれを乗り越えようとする人の力強さを感じた作品でした。

2023/02/22

おしゃべりメガネ

著者初読み作品です。家事が中心のお話でした。正直、恥ずかしながら家事に全く無縁の私にはなかなか入り込みにくいお話でした。家事に対して、何かしら大なり小なり抵抗感のある方は読むコトで、少しでも心境の変化が生まれるといいのかなと思います。夫と別れ、小学生の娘と暮らす主人公にどうしてかキモチが入っていかなかったのと、偏屈な小説家の大先生が思ってたより、ちょっと地味なキャラだったのが残念でした。しかし、サラッと読むには内容&ボリュームともにちょうどいいのかなと思います。改めて家事をするコトは色々と大変だなと。

2020/03/31

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