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戦争は女の顔をしていない 1

戦争は女の顔をしていない 1

戦争は女の顔をしていない 1

作家
小梅けいと
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
速水螺旋人
出版社
KADOKAWA
発売日
2020-01-27
ISBN
9784049129823
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「戦争は女の顔をしていない 1」のおすすめレビュー

戦場で生きた女性たち…「失われたもの」ではなく「失わなかったもの」を描く圧巻の漫画『戦争は女の顔をしていない』

『戦争は女の顔をしていない』(小梅けいと:著、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ:原作、速水螺旋人:監修/KADOKAWA)

 爪がなくなった湿疹だらけの手で兵士の軍服を洗う「洗濯兵」として戦場に送られた女性。お気に入りの赤いマフラーを身に着けて戦場に向かった「狙撃兵」の女の子。誰も知らない戦争の真実がここにある。約80年前に世界中を戦渦に巻き込んだ第二次世界大戦。当時の記録はさまざまなかたちで残されており、私たちはあの時代の愚を犯さぬように薄氷の上を歩いてきた。だけど、当時の全てを知っているわけではない。記録されなかった事実、語られることのなかった記憶、隠されてしまった歴史。それを掘り起こし、思い出し、見つめ直すこと。それは今を生きる私たちにとって何よりも重要なことだ。

 原作は、女性ジャーナリストのスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチが、500人以上の従軍女性から聞き取りを行ったインタビュー集。この本は出版後「祖国を中傷している」と非難を受け、祖国ベラルーシでは長い間出版禁止になっていたという。だが、彼女はその後も戦争をテーマにした取材を続け、のち…

2020/8/14

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第二次世界大戦中のソ連には、陰で奮闘する女性たちの姿があった――。戦争に運命を翻弄された、女性の生き様とは

『戦争は女の顔をしていない』(小梅けいと:作画、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ:原作、速水螺旋人:監修/KADOKAWA)

 戦争をテーマにした作品は、数多く存在する。その多くが、戦地で戦う「男たち」に焦点を当てたものばかりだ。男が戦に赴き、女はその帰りを待つ。それを悲恋に仕立てるものもあれば、戦争の悲惨さを説くものもある。

 しかし、それは戦争の一側面でしかない。あるマンガを読んで、そう思い知らされた。

 その作品の名は、『戦争は女の顔をしていない』(小梅けいと:作画、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ:原作、速水螺旋人:監修/KADOKAWA)。本作の原作となった同名タイトルのノンフィクションは、ウクライナ出身の女性ジャーナリストであるスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチさんが手掛けたものだ。出版されたのは、1984年。2015年にはノーベル文学賞にも輝いた。

 そこで紡がれたのは、第二次世界大戦で従軍した、ソ連の女性たちの姿。当時、100万人を超える女性が従軍し、看護師や医師、なかには兵士として男たちと肩を並べ戦った人もいたという。アレクシエーヴ…

2020/1/31

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(c)2020 Keito Koume Based on WAR'S UNWOMANLY FACE by Svetlana Alexievich (c)2013 by Svetlana Alexievich

「この原作をマンガ化しようと考えた作家がいるとは想像しなかった。瞠目する。原作者の慧眼をもって、酷寒のロシア戦線での女性の洗濯兵と狙撃兵の異形をあぶり出した辣腕には敬意を表したい。それをマンガ化した作者の蛮勇にも脱帽する。男性の政治家と経済人たちの必読の書である。女たちは美しくも切なく強靭であったのは事実なのだ。」――本作の単行本第1巻が発売された際、『機動戦士ガンダム』『Gのレコンギスタ』を手掛ける富野由悠季監督が熱い檄文を寄せた。今回は著者の小梅けいとと監修の速水螺旋人をまじえて、本書にかける思いを語り合っていただいた。

こうめ・けいと●マンガ家、イラストレーター。『くじびき♥アンバランス』『狼と香辛料』『ビビッドレッド・オペレーション』などのコミカライズを手がける。2019年より『戦争は女の顔をしていない』の連載をComicWalker…

2020/8/6

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戦場での過酷な重労働。洗濯で爪が抜け落ちてしまう…/戦争は女の顔をしていない①

「あまりに恐ろしい戦争だ」「悲惨すぎる」 第2次世界大戦下、旧ソ連軍の一員だった女性たちの証言インタビュー集を、コミック化。 戦争の最前線で銃を握った女性は、何を語り出すのか―― 『戦争は女の顔をしていない』(小梅けいと:著、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ:原著、速水螺旋人:監修/KADOKAWA)

【次回に続く!】

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2020/1/31

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戦争は女の顔をしていない 1 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

yoshida

第二次世界大戦の独ソ戦。戦争より帰還した女性達より聞き取りした作品。第二次世界大戦と言えば総力戦。また、ナチスの東方生存圏の確保はスラブ民族の奴隷化を意味する。約2700万人の犠牲を出しても、ソ連が屈服しなかったのは民族としての生存が脅かされたからだろう。狙撃兵として、洗濯部隊として、衛生兵として、飛行兵として、女性達も前線に向かう。これには共産主義の社会の影響もあるだろう。普通に暮らしていた女性が、過酷な戦地に立つ。初めは混乱するが徐々に順応する。帰還しても残るPTSDに現代にも通じる苦しみを感じる。

2020/02/16

書店で見かけて購入。女性たちの経験から語られる戦争。漫画のタッチだからか残酷なシーンも比較的読みやすくなっている。看護婦として、洗濯員として、はたまた戦士として戦場に送られたり志願する女性たち。女性ならではの下着の問題は特に苦しいことがわかります。怪我の傷より心の傷の方が深くて痛いと言う。戦争なんて起こってはいけないと強く思いました。

2020/02/10

keroppi

ノーベル文学賞を受賞したスヴェトラーナ・アレクシェーヴィチの原作を漫画化。これ漫画化出来るのと不安に感じた。漫画化するということは、登場人物の服装、いる場所、家屋、その他諸々が絵で描けないといけない。石ノ森章太郎だって「マンガ日本の歴史」を描くのに膨大なスケッチをしていたんだ。最初、少女マンガ的な顔に少し拒否反応があった。だが、読み進めていくに従い、こういうキャラクターたちがこういう戦場にいて、こういう悲惨な体験をすることが、このテーマを描くにあたって強烈な説得性を持ったのではないかと思うようになった。

2021/02/23

みやしん

うろ覚えで、ソヴィエト軍は前線に出た女性兵が最も多かったと。命の危機は男女を問わないが女性であるハンデに全く融通の利かない物資の平等具合と、その過酷な現実・なけなしの対処に現代日本男性である我が身では、思わず目を背けてしまう事を禁じ得ない。女である事を捨て、それでも根底にある「女性」としての矜持が読者の心を抉る。本巻では性暴虐の描写が無かった(原作にはあるのかも知れないが)事がせめてもの精神的ダメージを和らげてくれた。卓越したソヴィエト考証を持つ監修者の結びの段落が、本作を見る目に改めて活を入れてくれる。

2020/07/02

眠る山猫屋

原作を知らなかった自身の無知を恥じなければ。正直、絵が抜群に巧いという事も無く、構成力もまだ発展の余地を感じるが、この描き手さんは心を射つ力を持っているのかも。舞台は≪大祖国戦争≫ロシアの荒野、参戦した女性たちを描く。教育や情報の偏差は在ったのだろうが、祖国の為に自ら過酷な戦場に赴く女性たち。洗濯部隊の誇り、狙撃兵の苛烈な戦い、看護兵の勇気、飛行兵の友情などなど・・・。どのエピソードも胸が痛い。何かが突き刺さる。泣きそうだ。みな普通の女性なのに、その行動がその心情が・・・。普通だからこそ、心が揺れる。

2021/04/08

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