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15秒のターン (メディアワークス文庫)

15秒のターン (メディアワークス文庫)

15秒のターン (メディアワークス文庫)

作家
紅玉いづき
ろるあ
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-05-25
ISBN
9784049141641
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15秒のターン (メディアワークス文庫) / 感想・レビュー

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よっち

大切なものを諦めて手放しそうになる時、自分史上最高の「ターン」を決める彼女達の鮮烈で切実な3編と、書き下ろし2編を収録した連作短編集。別れを告げようとする少女と呼び出された少年の視点が交差する恋の最後の15秒、浪人生活から現実逃避してWEBマンガを描き続けた少女、1LDKのアパートでソシャゲの虚無にお金も時間も投じた女二人の確かな絆、すぐに涙腺が緩む少年と惰性で生きる少女の出会い、合コンの女王が帰りに喫茶店に寄る意味。意味を見いだせない日々に変化をもたらした、はっとするようなきっかけが印象的な物語でした。

2022/07/12

huraki

別れを告げようとする恋人同士の彼女と彼の視点と感情の揺らぎを描いた表題作を含む短編集。すれ違う恋、迫りくる受験に試される絆。生きている中で壁にぶつかり苦悩して、ずっと大切にしてきた何かを諦めなければならないような局面や分岐点。その時彼女たちは何を思い行動するのか?痛切でありながら瑞々しい感情と鮮やかな転換がどこまでも眩しく胸に刺さってくる。「この列車は楽園行き」が特に印象的だった。

2022/06/12

yosa

これは容易に感想呟けないぞと背筋をぴんと張って神妙な面持ちをしてしまうのは、たぶん私が男性であるからという単純な理由が大半を占めている。美しくて脆く、柔らかくて鋭い五つの短編は既読未読ありながらもどれも私には宝石に見えるというのに、捉えようもなく体の柔らかいところに絡みつきながらも薄く儚く溶けてしまう。そんな曖昧な言葉しか出てきませんが胸の内にはもっと荒々しい感想が詰まっていて言語化できないのは性別の問題かなと思えて大変もどかしい。最後の一行の力強さに圧倒され、書き下ろし新作SSで無理矢理蘇生させられた。

2022/06/13

まっちゃん

久しぶりの紅玉さんの新刊!!「2Bの黒髪」は読んだことがあったけど他は初読み。別れを告げる前後を書いた表題作もだけど、愛とも恋とも言えない「この列車は楽園行き」や1番を目指す女子2人の「戦場にも朝がくる」.15年越しの恋を描く「15年目の遠回り」など、どれもじんわり来る素敵な短編集。紅玉さんの文章はやっぱ暖かくて好き。

2022/08/03

イシカミハサミ

15周年を記念する作品として こんなにふさわしい短編を書いてきた紅玉さんはすごい。 と、十人並の感想を述べてしまう。 やっぱり歴史を感じてしまうのは、 書き下ろしの2作品の引力がすごいから。 出会いはタイミングと環境ですね。

2022/07/29

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