荒俣宏妖怪探偵団 ニッポン見聞録
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荒俣宏妖怪探偵団 ニッポン見聞録 / 感想・レビュー
たいぱぱ
出版社の宣伝文句「妖怪版・ブラタモリ」は那須与一ばりに的のど真中を射てます。荒俣宏さんがタモリで、古生物学者の荻野さんと作家の峰森さんが近江ちゃんです。いつもながらの荒俣先生の多岐に渡る国宝級の知識は、凄し面白い!座敷わらしや河童の木乃伊、殿様が集めた正体不明な珍品や幽霊画を科学的に生物学的に民俗学的に色んな角度から切り込む姿勢は知的好奇心を満足させてくれる。宮沢賢治と佐々木喜善の関係にもワクワクする!江戸時代から外国と交流があったという東北。高橋克彦作品で火が付いた東北興味魂に油を注いだ一冊でした。
2020/07/12
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
博覧強記の荒俣先生と古生物学者の荻野先生、伝奇小説家の峰守さんのトリオが東北の妖怪を巡る旅。座敷童の伝説のある旅館や地獄絵、科学が始まる前の時代の科学的(博物学的)コレクションや幽霊画など民俗学や古生物学などの視点からの考察にワクワクしっぱなし。東北篇と銘打たれているけれど、コロナが落ち着いたら熊楠の和歌山を中心とした近畿篇など日本全国をまわってもらいたい!
2020/10/28
鯖
古生物学者の大石先生の「河童はゴミ箱」という表現が面白かった。アカハライモリのような赤さを持つ薬になる両生類系の河童に、カワウソのようなほ乳類の河童。世の中の不思議にどうにか折り合いをつけるべく、人が事象に名を付け妖怪を産み出したのと同じなのだなあ。…ただ一番衝撃だったのは、宮沢賢治の妹のトシさんが日本女子大に進学したのは賢治がトシさんをモデルとして、音楽教師と女生徒との三角関係を描いた小説を地元の新聞に連載したので、花巻にいられなくなってしまったからという。賢治よおまえもか。
2019/02/20
椿 釦
「妖怪」と言っても奥が深い。歴史、文化、科学、博物、もう本当に色々なものが内包されている。ただの怖い話も嫌いではないけれど、本当に幽霊っているの?という信憑性のない話になってしまっているものは悲しくなる。物理的に見えないもの、現実に確かに存在しないもの、死後の世界という、生きている人は誰も見たことのない世界を信じる事の豊かさを噛みしめられる本だった。妖怪的なものは、その土地の人が信じようと守ってきたもので、本当は原因や理由や存在が説明出来てしまうものだったりするけれど、それも含めて私は好きだ。
2017/10/09
尾白
開かれていて、閉じもする東北。図書館から借りたのだけど…。ちっとも読み足りない気がするよぅ ( 。゚Д゚。)
2020/11/28
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