田中角栄研究全記録 上 (講談社文庫 た 7-1)
田中角栄研究全記録 上 (講談社文庫 た 7-1) / 感想・レビュー
nobody
立花隆の怖さは前史(背景史)にある。これは本質は歴史にありという信念からくるものだ。よく読解力のない者が『日本共産党の研究』を日共の戦前党史と評するが、あれは戦前党史で終わってしまったものだ。『中核VS革マル』でもインパクトがあるのは「抗争前史」だ。「田中角栄研究」もそうだった。純白のキャンバスに、突然角栄が汚物を撒き散らした訳ではない。汚物の撒き散らし様式は権力のしきたりとしてとっくに確立されていた。例えば証券会社は実際上打出の小槌だ。角栄は既成の様式に従っただけである。ところが「研究」は専ら角栄叩きに
2021/07/11
Booske40
大学生の頃、貪るようにページをめくった日々が懐かしい。この1冊から立花さんとの長い旅路が始まった。今にして思えば、ロッキードのロの字も表に出ていなかった時期に34歳の若さで角栄を困らせた執念は凄すぎる。解散と再結成を繰り返し、身を削って調査と取材を敢行していたわけだが、皮肉も込めたユーモラスな表現が端々に見られ、意外にも楽しませてくれる。
2022/05/11
moonanddai
ミステリーのアリバイ崩しを読むような…。しかしこのような資金構造をデザインしたのは誰なのだろう?田中自身?側近?プロ?
2013/06/14
ぼっこれあんにゃ
☆この本は、田中角栄(ときの総理大臣)をそのウラ側にある、金を頼みにした汚い政治手法を様々な客観的なデータから追求し、とうとう、その政治生命(オモテの)を奪ってしまったルポである。徹底した取材と論理的な文章の迫力に30年以上たっても色あせない、上質なジャーナリズムの素晴らしさを感じた。
2009/02/08
norikatu6873
建設業を営む青年が最後には日本の総理大臣になった。その過程で莫大な資金を利用して票を集めていく手法が、違法の中でも権力者という闇の中でおこなってわれて行く。ただ、この人にもスタート地点、最初に大金をつかめないとできなった。それが、戦争とい混乱の中で、度胸とカンで大金を掴んだ。私は、この書籍の中でこれが一番感心しました。やはり、人には人生の分岐点があることを、ただ人にはそれがわからないし、見えない。
2012/12/28
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