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天使が消えていく (講談社文庫 な 2-1)

天使が消えていく (講談社文庫 な 2-1)

天使が消えていく (講談社文庫 な 2-1)

作家
夏樹静子
出版社
講談社
発売日
1975-06-01
ISBN
9784061360266
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天使が消えていく (講談社文庫 な 2-1) / 感想・レビュー

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ヨーコ・オクダ

タイトルにある「天使」て、心臓病の赤ちゃんを指すんやけど、それが「消えていく」となると「死」を想像するでしょ?コレが違うんよね。最後まで読むとその着地方向に胸が熱くなる。福岡で起こる複数の殺人事件。背後にある利害関係、男女関係等がいかにもワケありっぽく…。東京で不倫の恋に破れた女性記者が故郷の地で事件に巻き込まれつつ、自身が感じた疑問を手がかりにして真相を探っていく。表向きの事件描写はゴリゴリっと男勝りな夏樹センセ。その合間に主婦、母親、キャリアウーマン等いろんな女性目線を嫌味なく差し込んでるのが巧い!

2020/07/16

おりん

多分、社会派ミステリに属する本。面白かった。傑作。1975年刊行で古い本のせいか、序盤は少し読みにくく感じたが、すぐに先が気になってページをめくる手が止まらなくなった。ラストは涙腺に来ました。感想を書きたいですがネタバレになってしまいそうなので書きません。しかし良かったです。古くても良いものは良いんだな、と思わされました。難点はやっぱり古臭さと地味さ、それに付随する序盤の読みにくさですかね。でもそこを堪えて最後まで読んでほしい本です。

2017/09/18

星落秋風五丈原

台風が九州を縦断した夜、ホテル玄海で宿泊客の男が絞殺された! その後、ホテルの経営者も青酸カリの入った牛乳を飲み、不審な死を遂げる。さらに、容疑者として浮かんだ重症心臓疾患児ゆみ子の母・神崎志保の凄惨な死。ゆみ子をいとおしむ婦人誌の記者・砂見亜紀子は、志保の死因を探り、真相に迫る。限りない愛と献身をテーマに描いた、感動の長編サスペンス。

1989/01/01

ふう

連続殺人を追う刑事と”天使”に魅せられた女性記者の視点が交互に描かれ、最終的に浮かび上がるのは愚かで哀しい愛情の物語。夏樹静子って80年台の2時間ドラマみたいなイメージだったのでこういう作品もあるのかとちょっとびっくり。密室トリック二段オチなどなかなかトリッキーで面白かったが、やっぱり火サスっぽさも感じてしまったし、如何せん古臭さが否めない(それは誰のせいでもないが)。このオーラスの真相、当時は結構驚いたんじゃないのかな。

2016/01/05

yurinessa

『天使が消えていく』これ読了後にタイトル見返すと深いなぁと思う。重い心臓病を患っている赤ちゃんと母性の欠片もない母親…。どちらの目線で見た〖天使〗なのか。だけどどちらの意味に捉えても愛情は狂気。その真実を知るときに見える世界が変わるような、そんなミステリー小説でした。

2021/11/29

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