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天使の傷痕 (講談社文庫)

天使の傷痕 (講談社文庫)

天使の傷痕 (講談社文庫)

作家
西村京太郎
出版社
講談社
発売日
1976-05-26
ISBN
9784061360419
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天使の傷痕 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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nobby

約30年前読んだ高校時代に、読後その真相にショック受けたこと忘れ得ない作品。正直、この頃体感している様々なミステリと比べると遊びは少ないが、何ともコンパクトに分かりやすくまとまった展開。個人情報ダダ漏れの捜査や調査には時代を感じるが、二転三転させての犯人探しには思わず引き込まれる。後半ほぼ解決となってから、まだ曖昧な“天使”の意味…ダブル、トリプルミーニングの延長でついに明かされる社会への提言。そのラスト30頁程で一気に重く切なく畳み掛ける衝撃は今昔とも変わらず…

2017/03/31

たか

西村京太郎がまだトラベルミステリ作家の地位を確立する前の作品。 武蔵野の雑木林でデート中の男女が殺人事件に遭遇した。瀕死の被害者は『テン…』と呟いて息を引き取った。『テン…』とは何を指すのか。デート中、直接事件を目撃した新聞記者の田島は、記者らしい関心から周辺を洗ううちに『テン…』とは天使のことであるとわかる。しかし、事件の背景には予想もしない暗闇が広がっていた…。 作者の若い頃の作品だけに、随所に正義感が感じられ、静かな感動が沸き騰がってきて共感を生む。社会派ミステリの傑作。C+評価

2020/08/16

ちょろこ

日本の古き良き推理小説、の一冊。やっぱり西村さんの初期小説は秀逸だなぁ…と。主人公の新聞記者が遭遇した殺人事件。これがまた単なる犯人探しの推理小説ではなく、この時代ならではの背景、日本、村社会での考え方、生き方という社会問題が提起されている。主人公の新聞記者のラストの心情には唸らずにはいられなかった。今の時代、その問題は表面上は厚い壁が薄い壁になったような気がするけれど実は見せかけで、結局あまり変わっていないような…。この作品が名作として今でも書店に並ぶのがわかる気がする。

2015/05/29

セウテス

西村氏の初期の作品です。新聞記者の田島は、恋人とハイキングの途中、胸に短剣の刺さった男と遭遇します。男が最後に残した言葉「テン・・」の謎を追って取材を行う田島は、それが天使の意味だとたどり着きます。トリックの意外性に予想外の犯人と、充分驚かされたのですが、この作品の最大の評価は日本の根強い家問題や地方社会の閉鎖的な考え方、障害を持つものに対する差別的な社会環境を、しっかりと書き綴っている事です。本格派としても社会派としても、読み応えのある江戸川乱歩賞作品です。推理を問題を悲しみを共有できる名作でした。

2014/08/01

雨音@灯れ松明の火

江戸川乱歩賞にふさわしい、重厚な作品。西村さんは、トラベルミステリ以外にも素晴らしい作品が多数ありますが、本作は社会派ミステリとして読者に強く訴えるものがありました。自分が生まれる前に書かれた作品なので、当時の文化については分からないことがありましたが、とても興味深く読みました。薬害、村社会、障害者差別など、40年以上経った今でも、決して消えることのない社会問題であると感じました。

2014/11/17

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