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アメリカ文学のレッスン (講談社現代新書)

アメリカ文学のレッスン (講談社現代新書)

アメリカ文学のレッスン (講談社現代新書)

作家
柴田元幸
出版社
講談社
発売日
2000-05-19
ISBN
9784061495012
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アメリカ文学のレッスン (講談社現代新書) / 感想・レビュー

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buchipanda3

19世紀から近年までの新旧アメリカ文学作品群を、著者が「名前」「食べる」など横断的な切り口で読み解いている。どの章も短いが読み応え十分で、各作品に含まれるシビアで現実的な意味合いの共通項が見い出され、背景にあるアメリカ社会特有のものが浮かび上がってくる。印象に残ったのは「建てる」。家を建てるアメリカ人の自己創造の栄光と悲惨。他には「組織」の不可解さ、「愛の伝達」「親子」の家族の存在。「エピローグ」の発見すべき他者の不在。「アブサロム、アブサロム!」の他、ダイベック、パワーズ、マラマッドなどを読んでみたい。

2021/02/16

nobi

新書版で、レッスンという軽めのタイトルで、飾らない語り。でも次々と繰り出す印象的な引用にも、俯瞰と接写の見事さにも圧倒される。「建てる」「名前」といった10の視点で捉えることで、時代時代のアメリカが作家が作品が、類似と差異が、見えてくる。ただ、それらの視点に作品を無理やり結びつけない。ありがちな読み方もそっと正してくれる。すると例えばカーヴァーの「メヌード」の引用に泣き、ディキンソンの詩に時代が映っていると知る。特に後半「勤労」「親子」「ラジオ」など、閉塞感ある現代をどう生きるか、啓示に満ちた殆ど人生論。

2023/02/05

meri

有名な翻訳家であり、アメリカ文学の研究者である柴田さんの導入本。10のテーマにあわせ、アメリカ文学の謎を提起する。本書を水先案内に、著名な作品を読み漁るのもひとつの手。カーヴァー、マラマッド、パワーズのくだりがお気に入り。図書館本だけど、買いたいくらいに、面白かった。

2015/12/04

あきあかね

 「名前」「食べる」「勤労」などの10個のキーワードと、それにまつわる作品を紹介することで、アメリカ文学の全体像を浮かび上がらせる。 例えば、「ラジオ」というキーワード。ある作品ではラジオが、1950·60年代のアメリカという国が自信に満ちていた時代の華やかさとその陰にある不安を体現する一方、70年·80年代を描く別の作品では、アメリカの威信が失われた時代の喪失感を体現する。 著者は「強引に三題噺的に結びつけて語った」と謙遜するけれど、単にキーワードが現れる作品を並べるだけでなく、⇒

2019/03/20

tokko

柴田さんの言う「アメリカ文学」だから相当な数の作品を網羅しているのだろうけれど、それに比して僕の知っている「アメリカ文学」の数が少なすぎる。だから「うん、確かにそうだよな」とはならずに、ただただ謹聴して終わった。登場する本の中にいくつか気になる本があったので、機会があれば読んでみよう。

2017/01/29

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