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ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)

ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)

ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書)

作家
東浩紀
出版社
講談社
発売日
2007-03-16
ISBN
9784061498839
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ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2 (講談社現代新書) / 感想・レビュー

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k5

凡百の評論家なら細かく切りそうなところを、前近代、近代、現代にぶった切ってくれるので一度は分かったような気になったんですが、「環境」って本来はどこにいるか分からない読者の意識のことだよな、と思いかえすと難しくなります。自分としても、小説などの作品が商品で、同時代の市場を相手にしていることは自明だ、と考えていましたが、ここで言う「環境」がマーケティングできる範囲の消費者の意識だとすると、その考え方は偏狭ではないかと。つまり本書が書かれた13年後である現在、作品はまだあるけど「環境」はもうないので。

2020/08/13

mitei

ただのラノベって言ったら語弊があるがそこまで深く洞察できるものなんだなと思った。個々のゲームはやってないのでネタバレ回避のため読み飛ばしたがあのシナリオにそんな意味が込められていたのかと気付かされてばかりだった。

2012/02/14

SOHSA

《購入本》サブカル、特にラノベ等を中心的素材にした社会論、文学論。副題から前著『動物化するポストモダン』の続編であることがわかる。しかし、前著からの時間の経過に伴って、著者の言説も新たな展開を示す。特に物語そのものを自然主義的に読み解くのではなく、構造的・環境的に読み解くことによって作者の意図とは異なった、あるいは意図せずにしかも必然的に生じた射影が自然と浮かびあがってくるというのは大変興味深い。ともあれ、ラノベ等の造詣が圧倒的に不足している私自身としてはとにもかくにも(→)

2016/07/08

佐島楓

美少女ゲームはおそらくプレイしたことがないと感覚的にわかりづらいのではないだろうか。家庭用ゲームのヘビーユーザーだった私は、しかしシナリオライターさんのメッセージを酌めてなかったのだなあとかなりがっかりした。つまりものすごく素直なプレイヤーだったのだ。制作者の真意がここに書かれているように皮肉がこもった内容にあるとしたなら、なんというか凄く反省しなければいけないような気分。そして同時にこの業界に魅力を再び感じてしまった。今度はユーザーじゃなく書くほうで参加したいです。

2012/03/03

nbhd

再読だけどシビれる。舞城王太郎の「九十九十九」も再読せねばならぬと思わされる。ラノベ批評の地平を拓き、そこにポストモダンの主体性と実存の行方を探る本。ゲームのお勉強に関するところで引っかかったのは「半透明」というキーワード。自然そのものを”透明”な言葉で「写生」することでうまれた近代文学に対して、ラノベでは”半透明”(現実と幻想のあいだ)の言葉が用いられていると著者は書く。RPGの勇者(幻想)とプレイヤー(現実)が、融合したり、峻別されたりするあの感じが「半透明」という表現にしっくりハマる、と思った。

2017/03/04

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