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私の個人主義 (講談社学術文庫)

私の個人主義 (講談社学術文庫)

私の個人主義 (講談社学術文庫)

作家
夏目漱石
出版社
講談社
発売日
1978-08-08
ISBN
9784061582712
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私の個人主義 (講談社学術文庫) / 感想・レビュー

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ケイ

漱石忌に。読むたびに味わいが違う。というか、どの講演の内容についても、記憶していた内容と再読している内容に少なからぬ乖離があるように感じ、読み進めているうちに記憶よりもっと立派な事を漱石が言おうとしていたのに気付くという繰り返し。核心さえうまくつかめていなかったようだ。漱石先生、ごめんなさい。さて、私自身が落語を聴くようになって6年ほど。落語を引き合いに出す漱石の例えにも感心する。当時の学習院の学生に「目黒のさんま」をもってくるなど絶妙ではないか。そして、他人の批判を容易くしてはならないと猛省した。

2018/12/09

ケイ

「無知の知」という言葉を改めて考えた。イギリス留学は、確実に漱石の寿命を縮めた。十分に学ぶには、時間もお金も全く足らず、自分が現在持っている知識では留学をいかせ得ないと思っていただろう。漱石より相対的にできる人はそうはいなくても、彼は絶対的にはまだまだであると、その賢さゆえに悟っていたために、留学で得られるものの少なさに自ら気付いていた。しかし、彼は他者から見れば十分に学んできたのである。ここに、それが見てとれる。彼の思慮深さ、知識の広さ、ユーモア、思いやり…、どれをとっても一流だ。

2015/03/03

ケイ

今から1.5世紀前、明治元年生まれの漱石が、明治の終盤に行った講演録。「私の個人主義」以外は、関西各地で続けて行った講演。当時の地方の人間にどれほど彼の言うことが理解できたのだりう。落語好きな漱石、どの講演も本題に入るまでの「まくら」の部分が長い。笑いをまじえた情けない話を聴かせながら次第に本題に入る。さて、本当に偉い人物は難物をさらりと語るのだとひたすらに感服する。「私の個人主義」は学習院の学生に。個人主義とは自分と他人の自由の尊重、迎合を良しとしなければ淋しいがその大切さを説く。漱石忌に再読。

2016/12/08

優希

漱石の思想が語られていました。個人主義とは利己的になることではなく、義務を果たすべきであると説いています。自己の個性を成長させる為には他人をも尊重すること、金銭には自己責任を持つことなど、現代にも通じる考えだと思いました。実際に学習院大学で行われた講演であり、啓発と自覚を促しています。今の時代も個人主義を貫くために必要で当たり前のことが欠けているような気がしました。

2015/10/25

新地学@児童書病発動中

漱石の講演集。初めて読んだが、この偉大な作家の素顔に触れるような気がして、楽しかった。どの講演もシリアスなことをテーマにしているのだが、前口上の部分では笑えるところが多い。漱石はユーモアの人だったのだ。言葉遣いは小説と似ており、漱石が話し言葉を生かして小説の文体を作り上げていたことが分かった。「私の個人主義」が白眉。自己本位の思想は未だに新鮮で、日本人に大切なものだ。自己本位を貫きながら、他者を最大限に尊重することも強調している。夏目漱石は日本人にとって、人生の師と呼べる数少ない人物だと改めて感じた。

2017/03/05

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