茶道の哲学 (講談社学術文庫)
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茶道の哲学 (講談社学術文庫) / 感想・レビュー
だまし売りNo
書院台子の茶と対義語が草庵露地の茶となる(野上彌生子『秀吉と利休』中公文庫、1973年、20頁)。露地は、ただ茶席に至る通路という地理的な意味だけではなく、そこを通ることによって心地を露わにするという超現実的・出世間的・宗教的なものになる(久松真一『茶道の哲学』講談社学術文庫、1987年)。
2022/02/23
たかこ
明治生まれの哲学者久松真一先生の昭和62年の御本。やはり茶は禅と通じている。1つの教えには10の裏付けが必要と聞いたことがあるが、茶道を教える奥行の深さにただただ尊敬するばかりである。「茶の湯とはただ湯をわかして茶を点てて飲むばかりなるものとしるべし」、この言葉は以前より知っているが、本意はこの本で初めて理解できた。現代の茶の湯では、型だけで誠意のこもらない巧言令色の儀礼的な茶の作法や美服を競い華麗を誇り高価な道具を列べることもままある。茶をのむ目的、目的にしたがってのむ心掛け、柔軟な心が必要である。
2020/02/17
さきん
茶道は堅苦しいなと思ったが、背後にある哲学、思想を徐々に理解してきているところ。重要なのはお茶を飲んだり、お菓子を楽しむことだけではなく、お客との出会いを大事に思ったり、日常から離れてお茶碗に宇宙を見たり、庭の変化にはかなさを感じたり様々だ。
2015/07/11
kyhitsuji
高校生の頃に茶道部だったので読んでみた。茶道はこんなに深いものだとは思いませんでした。まるでお坊さんの説教を聞いてるかのようでした。 茶道をやった事がなく、どうしても取っ付き難いようなら238ページからの「茶の十徳」だけ読むのでも良いかもしれません。
2015/01/29
くらひで
著者は茶道が日本独自の総合的文化体系であり、日本人の生活全般の根幹をなしていることを力説する。それは禅と結びつき、日本人の精神性やDNAに通底しているのかもしれない。そのような茶道に興味を持ち始め、その奥深さを痛感する。一方で、著者は昨今の表層的な茶道のブームに警鐘を鳴らしている。じっくりと茶道の精神を追究してみたい。
2014/12/28
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