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探究2 (講談社学術文庫)

探究2 (講談社学術文庫)

探究2 (講談社学術文庫)

作家
柄谷行人
出版社
講談社
発売日
1994-04-04
ISBN
9784061591202
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探究2 (講談社学術文庫) / 感想・レビュー

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chanvesa

「『他者』は、異者が実は内在的であるのに対して、外在的(超越的)である。それは超越者ということを意味するのではなく、いかなる意味でも(自己または共同体に対して異質であり)、後者の″疎外″や″理想化″として在るのではないということを意味している。…『他者』との交通には、一つの″飛躍″がともなう。(252頁)」社会が「身内」しかプレイヤーになれない言語ゲームに興じ、他者をはじき飛ばす傾向は揺るがない状況になっている。定量性への執着は、「無限の認識」である「『他者』の発見(335頁)」に対する忌避に通じるのか。

2018/09/23

みのくま

本書は、國分功一郎「中動態の世界」や東浩紀「ゲンロン0観光客の哲学」のプロトタイプといえるのかもしれない。「探究Ⅰ」において独我論からの脱出、他者や外部を改めて定義し直した著者は、本書で内部と外部の「間」である「交通空間」に着目する。「交通=交換・コミュニケーション」を行う空間は砂漠=海=都市であり、東洋においては「道=理」である。そして、そもそも共同体(内部と外部の分割)が成立する以前から交通空間は存在した。そこでは交換と贈与(著者によれば贈与も交換の一形態)が行われると同時に、内部も外部も存在しない。

2018/04/14

記憶喪失した男

デカルトとスピノザとフロイトにめっちゃ詳しい。哲学案内書にはいいかもしれないけど、新しい知見をくれる本ではない。「探求」は西洋哲学ばっかりやってたらこうなるのかって典型な本だったよ。まあ、柄谷はガチ勢だとは思うわ。そこは評価するが。ちなみに「探求1」より「探求2」のが面白い。

2016/01/22

ken

 この本でスリリングな話はフロイトの『人間モーセと一神教』についての柄谷行人の読みだ。フロイトの推察では、エジプト人であるモーセがユダヤ人を引き連れ聖地カナンへ脱出しようとするが彼がその手前で殺されユダヤ人は漂流することになった。だが柄谷氏の考えはちがい、モーセは敢えて砂漠に留まったのだという。砂漠というのは実際の地理ではなく共通の規則を持たない他者と出会う場だ。 あらゆる場所を故郷と思えるものは実はすべてを鳥瞰し計画できると考えるエンゲルスであり、砂漠というのはすべての場を異郷と思うものの集まりなのだ。

2014/05/18

またの名

デカルトの懐疑が要請する単独性とそこからスピノザの神や世界宗教までに至る普遍性、を扱った二部三部は理解できた気がするものの、第一部で固有名が偶然性や他者との交通の問題に昇華される展開に追いつけなかった。しかし全体の議論は非常にクリア。異者ならぬ他者が都市空間における命がけのコミュニケーションの場面に現れる。およそ共同体は精神分析運動も含め、ルソーの野蛮人である分裂病的な他者を受け入れることができない。デカルトやスピノザやフッサールの神及び超越論的領野は、共同体の外部を目指して抽象的幾何学的図表へ赴く。

2013/05/12

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