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構造主義科学論の冒険 (講談社学術文庫)

構造主義科学論の冒険 (講談社学術文庫)

構造主義科学論の冒険 (講談社学術文庫)

作家
池田清彦
出版社
講談社
発売日
1998-06-10
ISBN
9784061593329
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構造主義科学論の冒険 (講談社学術文庫) / 感想・レビュー

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ブロッコ・リー

現象を指し示すもの(シニフィエ)としてある構造とは何かを前半で説明し、中段からギリシア哲学、近・現代の哲学・科学の歴史を俯瞰する。哲学・科学は立ち現れる現象を説明する概念を探し求め考察を深めていった。構造が観察できればそれは現象であり、その中に更に構造があるはずとの説明は成程と思った。科学の進歩の歴史とは共通構造を探し出す歴史なのだ。超弦理論も10次元世界が時間と3次元の4次元を残して縮退したのだとの説明は神が作ったこの世に悪が存在する理由として、神の縮退が考えられたのと似ているようで興味深かった。

2010/03/19

てぬてぬ

構造主義科学論、究極のメタゲームだった。医学については触れられてないが、臨床医学は技術であって科学ではないということがよく分かる(p116)。だから良い悪いじゃなくて、それを自覚しておくことが大事。相対性理論の科学史における意義だけでも読む価値がある。"理論は現象を作っているわけではなく、現象を説明しているだけ"

2019/06/02

壱萬弐仟縁

1990年初出。多元主義社会とは、恣意性の権利を最大限尊重する社会(17ページ)。そのノルムは権利侵害しないこと(17ページ)。恣意性とは根拠の無いことらしい。学問は根拠があって理論が提起されるので、多元主義社会は学問的ではないのかもしれない。だが、学問は市民にも必要な人生にとっても不可欠な問題意識、仮説を検証し、一定の結論を導かねば進めない場面もある。人生相談(カウンセリング)で心理学者が相手をしているケースは悩みの解決策を望むクライアントなくして成り立たない。どんな学問が需要があるのか。時代背景も鍵。

2013/01/04

YT

科学を理解するため或いは楽しむための裏ワザとして、科学を目にみえる現象と背後にある同一性(構造や型式)として記述するゲームであると捉えることが重要だと述べられています。こうした見方を古代ギリシア哲学・物理学・生物学の歴史を追いながらトレーニングしていく。 科学と社会のありうべき未来について論じられた6章では、少し乱暴な議論に思えるが、日本人に馴染みの一元主義は、これからの科学と付き合っていく上で考え直していく点ではあると思いました。

2021/08/27

ソーシャ

今では評論家として有名な著者が、構造主義科学論を解説した本。結論としては『科学理論とは構造によって現象をコードするものである』というもので非実在論を採用しているのですが、それだと擬似科学などとの区別が難しそうな気がします。まあ、多元主義の立場からすればそれでいいのかもしれませんし、科学理論同士の優劣は別問題かもしれませんけどね。

2014/10/18

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