KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

海賊島事件 (講談社ノベルス)

海賊島事件 (講談社ノベルス)

海賊島事件 (講談社ノベルス)

作家
上遠野浩平
金子一馬
出版社
講談社
発売日
2002-12-13
ISBN
9784061822825
amazonで購入する

海賊島事件 (講談社ノベルス) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

眠る山猫屋

世界一美しい密室殺人の被害者と、幻の海賊王の生きざま。ふたつの物語が絡み合い、戦地調停士とその仲間を同時進行で謎が呼び寄せる。モローさんが掴み所がなくて良いです。彼の“まさか”のその後にニヤリとしてしまいました。絶世の美女との絡み方が何ともフワフワしていて。味覚表現の理屈は面白かった。牧野修さんは臭覚表現を描いていましたが。今までは巻き込まれ役っぽかったリスカッセも、その強みを見せてくれました。でも一番鮮やかに残るのは、自ら絶対防御呪文で集中砲火の中に乗り出して行ってしまうムガンドゥ三世だったかも。

2016/11/22

miroku

考えてみれば、通常のミステリーでも密室などのトリックを駆使してあるのだから、魔術というギミックもその条件付けをフェアにやればこうなるわけであって・・・。ミステリーとファンタジーには親和性があるのかしれない。・・・と考えさせられてしまった。

2012/10/08

ヱロ本Gメン

シリーズ三作目にしてようやく本格的ミステリー。しかしそれは死の謎というよりも人生の謎解きだ。説かれた謎は3つ。夜壬琥姫、ムガンドゥ一族そしてカシアス・モロー。アッと驚くものからジワジワくるものまで多彩な謎解きを堪能。しかしこのシリーズは最初に世界観をバーンと打ち出しておいて段々と紐解かれていくような様は、世界が上書きされているようなとても新鮮な感覚だ。月紫姫の再登場も嬉しかった。作者に負けましたって頭下げたくなるが、お前とは勝負してねえよって言われるだろうから素直に叫ぼう。とってもとっても面白かった!

2016/02/11

神太郎

「美しい死体」をめぐる事件。しかし、大半は海賊である一族の物語がメインである。なぜ?と思うかもしれないが、上遠野作品では実はそこに大きな秘密なり、事件の核心に近づくためのヒントがあったりして、今回も大いに楽しませてもらいました。最後の爽やかさも良いですね。ニーガスアンガーさん、前作であっさり逝きましたが実は…というのも良い演出。上遠野さんは過去に扱ったキャラを後々魅力的に書くことがよくある。しかもちょいキャラでもそういうことしてくれるから好きなんですよね。ニクイ演出である。

2012/08/28

しまうま

①再読。 ヴォネガットを読んだ直後に上遠野浩平さんの著作を読むと、その影響の濃さにびっくりする。細かなところはもちろん違うけど、その本質の部分で、彼らはどこかで何かを諦めて、諦めた上でその「何か」を愛しているように僕には思える。書いていて僕もよくわからなくなってきたけど、事実そう感じるのだから仕方ない。さて、今作はもちろん殺人事件を皮切りに物語が展開されるわけだけど、面白いのは「犯人は誰か?」という点じゃなく「いったい謎はどこにあるのか?」に焦点が当てられている気がする。

2018/05/24

感想・レビューをもっと見る