蜻蛉日記をご一緒に (講談社文庫 た 2-28)
蜻蛉日記をご一緒に (講談社文庫 た 2-28) / 感想・レビュー
優希
わかりやすい口調で語られる『蜻蛉日記』に引き込まれました。ざっくりとしてはいるけれど、蜻蛉の視点で感じられる想いが伝わってきて、不思議と物語の世界が見えてくるようでした。平安時代の男女のあり方をも教えられます。これを機に、機会があれば『蜻蛉日記』を読んでみたいと思いました。
2018/06/18
和希
田辺さんの講座を文字におこしたもの。わかりやすくテンポ良い語り口調にぐいぐいひきこまれます。古典で習う、恨みがましく、陰気な作者と違って、田辺さんの語る蜻蛉さんはツンデレぶりがとても可愛いく現代的です。作者は本当は蜻蛉なんて名前じゃなくて、もちろん「兼家の妻」なんかじゃなくて、きっと素敵なお名前があったのでしょう。当時の貴族のお姫様は「○子」さんがポピュラーなんですね。音読みか訓読みか定かではないですが、
2015/08/13
かもめ通信
昭和50年代に行われた連続講座の講義録に加筆修正を加えて出版したということで、非常にわかりやすく面白い。もともと古典を題材にしている話だから、古くなるというものでもないし、読み手の年齢によって、理解度も変わってくるのだろうから、私には今が読み時の本だったのかも。10代の頃読みかけたものの、その愚痴モードに辟易して挫折した蜻蛉日記だが、今読めばまた違った感想を持つんだろうな。とはいえ、今日のところはお聖さんの講演でお腹いっぱい。
2014/04/10
七時半
面白かった。作者のていねいな語り口調と平安のゆるやかに移ろっていく空気がよく混ざりあって、自分もお姫様になってばあやに歴史を教えてもらっているような(笑)気分になった。蜻蛉といっしょに兼家のもどかしさをなじったり、著者といっしょに蜻蛉の意地っ張りに呆れたり、蜻蛉の感性にはっとしたり、平安の雅な世界に浸ったり、いろんな読み方のできる本でした。
2015/01/18
fox
★★★★☆学校の授業で教えるべきことは、現代語訳の書き下し方法でも、古文の文法でもなく、この本に書かれているようなことだと、古典のお勉強が大嫌いだったわたしなどは、思うわけです。千年も前の人の日記というと、とても遠い遠い出来事のように思えるけれども、田辺さんのフランクな語り口が、千年を経ても変わらない女心というものを丁寧に伝えてくれているので、不思議と、蜻蛉夫人が現代にもいるような、気持ちになりました。
2014/03/30
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