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ガラスの靴・悪い仲間 (講談社文芸文庫)

ガラスの靴・悪い仲間 (講談社文芸文庫)

ガラスの靴・悪い仲間 (講談社文芸文庫)

作家
安岡章太郎
加藤典洋
出版社
講談社
発売日
1989-08-03
ISBN
9784061960534
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ガラスの靴・悪い仲間 (講談社文芸文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

感想は芥川賞受賞作の「悪い仲間」と「陰気な愉しみ」のみ。まさに山本健吉のいう第三の新人である。文体は戦前に回帰したかとも思われる私小説風である。特に「陰気な愉しみ」がそうだ。もちろん、これらは私小説ではなく、彼らに共通するスタイルである。性への耽溺はいっそ吉行の方がいさぎよいが、安岡はそこでも陰湿に悩み、開放されることがない。肯定的に見れば、文学を「個」において取り戻したということだろうか。その意味では文学の解放である。私小説風の文体と指向は古井由吉等に引き継がれ、そして個の解放は、大江等を生み出したか。

2017/01/19

遥かなる想い

第29回(1953年)芥川賞。 若者のひどく複雑な 見栄のような心象風景を 昭和の風情とともに描く。 「悪い仲間」では 悪に憧れる年頃を 「陰気な愉しみ」では 月に一度の 金を貰う私の不可思議な心を 活写する。 初期短篇集だが、映像が浮かんでくるようで 面白い。

2017/07/15

kaizen@名古屋de朝活読書会

芥川賞】「悪い仲間」友達の影響を受けて、お互いに悪ぶって、悪さが相乗していく。「陰気な愉しみ」怪我をして除隊して年金をもらう元負傷兵。ちょっとした楽しみが時代を描写している。昭和前半の雰囲気をよく表している。

2014/10/07

佐島楓

「悪い仲間」のみ学校の課題で読む。「第三の新人」と称された方々の作品はいくつか読んできたけれど、ずば抜けた読みやすさと現代性に驚いた。題材も青春期の性のコンプレックスと友情との絡み合いといったもので、そのまま学園もののテーマとなりそうである。既読のこの時代の小説で普遍性という意味やわかりやすさでは一番のような印象を受けた。ほかの作品もいろいろと読んでみようと思う。

2017/02/24

人間万事塞翁が馬ZAWAZAWA

 村上春樹へのインタビューの中で、「どの作家の文章(文体)が好きか?また旨いか」との質問に安岡章太郎と答えていた。興味が湧き読んでみました。読みやすい文章ではありましたが、村上氏が語ったほどの旨さを感じることができませんでした。自分の感性のなさにショックを受けました。ただ、『悪い仲間』の主人公である「僕」の心が良く書けているなぁーとは思いました。  小説を深く理解する能力が私には欠けているでしょう! でも、それなりの感性であっても、有意義な人生の一部として小説と共にありたいと強く思う。

2013/07/07

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