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明恵上人 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

明恵上人 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

明恵上人 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

作家
白洲正子
出版社
講談社
発売日
1992-03-04
ISBN
9784061961661
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明恵上人 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

ただひたすらに純粋に生きた明恵上人の生き方を浮き彫りにする素晴らしいエッセイ。本当に感激した。紀行文と伝記の2つの面があり、そのどちらも素晴らしい。紀行文では上人ゆかりの地を作者が訪れて、情感あふれる文章で日本の鄙びた田舎の情景を描き出す。息を呑むような美しい文章の連続だった。伝記としては、変人とも言える明恵上人の生き方を鮮やかに描き出している。修行のために耳を切り落とすほどの激しい性格だったが、人には限りなく優しかったようだ。他人を救うために自分を完全に捨て去る生き方に、畏怖の念を覚えた。

2017/09/03

きょちょ

明恵上人の「夢の記」に興味があって、まずは敬愛する河合隼雄先生お薦めのこの本。 明恵上人は鎌倉時代の人で、宗派など興味なく、「彼が信じたのは仏教ではなく、釈迦という美しい一人の人間だったといえましょう」には、なるほど。 この本は、彼の「信念」はよく伝えてくれます。 明恵上人こそ、「本来の僧」だったのだろう。 しかし、彼の魅力は書いているけれど、期待したほど伝わるものはなく、彼女がちょっと書いた道元の方に魅力を感じてしまった。 次は河合先生の本、続いて明恵上人の「夢の記」といきます。 ★★★

2016/11/13

磁石

はじめ、耳切る行為の意味がよくわからなかった。解説通り、彼の意志と仏への恋慕の強さが現したからと思った、それだけ強烈な人生を経た人だからなおさらと。ただ、「取」という漢字の成り立ち/殺された者は戦功の確認のために耳を切り落とされるから、考えを改めた。戦の敗残者たちと共鳴するためだった=喪主を請け負った。当時の権力者である北条泰時のバックボーン足りえたのも、彼が日本の歴史上数少ない誰からも恨みを向けられていない有名人だったのも、後の武士社会の法理となった御成敗式目を作れたのも全て、そのため。―――

2017/09/17

galoisbaobab

今年の1冊目は白洲正子の明恵上人。すでに三回目くらい読んだか。徒党を組まずただただあるべきようにピュアに生きるって憧れるわけですが、ビジネスピープルにはその「あるべきようわ」がきっとあると思って毒々しく生きながらえていくのですよ。同時代の栄西、道元、親鸞と通底するところはあるけど人間組織の限界をよくよくわかっていたであろう明恵が好きです。それにしても能「春日龍神」からのネタ振りはさすが白洲正子だと思うね。

2017/01/05

翡翠

白洲正子が明恵について書くとこうなるのか。さすがだ!!しかし、自分の道に邁進し、多くの人を惹きつけた明恵の姿はまだ私の中では、朧げとしか形作られてはおらず、それも北条泰時との関係でしばし浮き上がったにすぎない。もう少し明恵について知りたい。

2021/12/14

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