KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

贅沢貧乏 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

贅沢貧乏 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

贅沢貧乏 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

作家
森茉莉
出版社
講談社
発売日
1992-07-03
ISBN
9784061961845
amazonで購入する

「贅沢貧乏 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)」の関連記事

文筆家、書評家の三宅香帆さんが選ぶ「親友と呼べるような本当の友達がいない、お悩みに効く本」

本の世界には、あなたの現実のお悩みを軽くしてくれたり、生き方のヒントになる作品も数多くあります。今回は、文筆家、書評家・三宅香帆さんに、親友と呼べるような本当の友達がいない、と悩む方におすすめの本をご紹介いただきました。

お悩み:親友と呼べるような本当の友達がいません

■選書したのは…

文筆家、書評家・三宅香帆さん 文筆家、書評家。1994年生まれ。高知県出身。京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了。天狼院書店(京都天狼院)元店長。大学院にて萬葉集を研究する傍ら、2016年天狼院書店のウェブサイトに掲載した記事が2016年年間総合はてなブックマーク数ランキングで第2位に。選書センスと書評が大反響を呼ぶ。著書に『副作用あります!? 人生おたすけ処方本』(幻冬舎)、『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』(サンクチュアリ出版)などがある。現在は会社員の傍ら、文筆家・書評家として活動中。

 小さい頃、母親に「どうしたら友達ってできるのかな」と聞いたら、「絵を描いたり本を読んだり好きなことしてたらいいよ、そしたら自然と同じものが好きな友達が集…

2019/11/10

全文を読む

関連記事をもっと見る

贅沢貧乏 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヒロミ

面白かったです。森茉莉流の豪奢なレトリックに彩られたうつくしき哉、人生。エッセイに分類されているんですが、短編小説風の不思議な話も収録されています。浅草のノンシャランな気楽さと風通しを愛し、懶惰にアンニュイにチョコレートをかじるマリア。決して真似は出来ない生き方だけれど、ほんの少し前の日本にこのようなエトランゼ気質の女性がいたことが誇らしいです。

2018/04/26

パフちゃん@かのん変更

主人公牟礼魔利(マリア)、父欧外(鴎外)とあるように作者森茉莉さんご自身の物語らしい。昭和30年代、著者60歳前後の頃の話。両家の娘で父に溺愛され、身の回りのことは女中や使用人にしてもらっていた。今は6畳のボロアパートで赤貧の暮らしをしているが、持ち物は独自の美学で選ばれたものばかり。でも生活力がないからよい服が虫に食われて穴が開いても繕うことは出来ず、夜中にこっそり川に捨てに行く。13歳の少女がそのまま中老になったような風情だという。『森茉莉贅沢貧乏暮らし』という神野薫さんの本を読みたい。

2018/01/18

ユメ

この本を読んだら、森茉莉という女性に恋をせずにはいられなかった。硝子越しに世界を見つめたマリア。白雲荘での暮らしは貧寒をきわめたものでありながら、彼女は六畳の部屋に欧羅巴の夢を飾り、それに恍惚とした。「美はいつでも最大のもの」と信じてやまなかったマリアの審美眼にかなった部屋の光景は、読む者もうっとりさせる。真の贅沢とは心が豊饒であることだと彼女は教えてくれた。少女のままのような無垢さ、美と夢を追求する突き抜けた精神力、文壇の紳士たちへの冴え冴えとした眼差し、森茉莉という人はなんと愛すべき女性なのだろう。

2017/08/16

こよみ

解説に書いてある通り、不思議と平成でも通じるところがある。世の中変わってないのかもね。

2013/10/30

takakura

森鴎外を父に持つ森茉莉さんの、小説のような不思議なエッセイ。由緒正しい良家のご息女として生まれ、お姫様のように育った彼女だが、戦後にはかつて「市外」と呼んでいた世田谷の代沢のボロアパートで暮らすことになる。栄華を極めた者が没落するというのは大昔から人気の鉄板ネタなので、当時は興味本位で結構読まれたんじゃないかしら。「贅沢貧乏」なんて自虐めいた題名だけれど、持ち物、食べ物、人間関係、強いこだわりを持ちマイワールドを生きる様には気高さしか感じない。アクが強い文体だけれど不思議と癖になりもっと知りたくなる人。

2017/04/19

感想・レビューをもっと見る