お能・老木の花 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
お能・老木の花 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) / 感想・レビュー
翔亀
【感想1】私は白洲ワールドに「かくれ里」から入った。続いて「近江山河抄」。かつて読んだ紀行文の中で最高に興奮した。人知れぬ土地で廃れた寺社や埋もれた史跡を山の奥まで訪ね歩く。そこに展開する美しい自然の風景。何より山や河の描写がよい。常にこの人ならではの発見があり、その行程は時に冒険になる。ガイドブックには決して載らないような秘められた美しい山河の自然や山村の描写に惹かれて、私は近江や吉野に白洲さんの跡を追ったものだ。「西国巡礼」「十一面観音巡礼」も寺や仏像を主題にしているが、自然の秘められた美しさと白洲↓
2019/03/19
いちねんせい
「梅若実聞書」がとにかく面白かった。貴重なエピソードが満載で、その内容はもちろんのこと語り口からも神様の話を聞いているようであった。友枝喜久夫氏についての記述も読んでいてぞくぞくし、あぁ観てみたかったなぁと思わずにはいられない。ひょんなことから、大変ありがたいことに自宅に何冊もの謡本があるのだけれど、せっかく頂いた貴重なものであるからこれから少しずつ学んでいきたい。
2019/10/24
高平幸子
全て読めたわけではなく、意味の分からないところも多かったが、読んで良かった。 少年期の美しさが薄れ青年期にさしかかった時には、さすがの世阿弥も不安でしょうがなかったらしい。なぜか私まで、軽いショックを受けた。世阿弥すら、将来に不安をおぼえることがあったのだ。当たり前か。だが、逆に自分を奮い立たせてくれるような気もしたのだ。
2019/05/30
はみ
「日本の文化が究極のところで求めていたのは、世阿弥のいう「たけたる心位」に達することではなかったか」 --梅若実聞書、老木の花がとりわけ素晴らしい。友枝喜久夫氏の演じる「弱法師」「蝉丸」の話など、その凄味にゾクッとした。「魂を揺さぶる衝撃」欲しさに読書しているようなものだが、それらに出会うのは、昨今ではさらに稀だろう。テレビの前に寝そべっていてはダメということでもあるし(笑)、迷っていたが、能を見に行ってみようか。
2014/10/05
ぺこら
三編のうちはじめの「お能」が最も興味深かった。ひたすらに繰り返すことにより技法を身につける。それを芸術とみるのはあくまでも他人。職人による民芸を評価する白州正子さんらしい。
2017/06/17
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- 出版社
- 左右社
- 発売日
- 2019-11-01
- ISBN
- 9784865282511