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加賀金沢・故郷を辞す (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

加賀金沢・故郷を辞す (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

加賀金沢・故郷を辞す (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

作家
室生犀星
星野 晃一
出版社
講談社
発売日
1993-12-03
ISBN
9784061962538
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加賀金沢・故郷を辞す (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ) / 感想・レビュー

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メタボン

☆☆☆☆ 自身で言及しているとおり、まわりくどい悪文と自ら認める犀星の文体は金沢で培われ、北陸の風土が表れている。庭や陶器に凝った犀星。特に陶器には女性的な艶めかしい美をそこに見ている。馬込、田端、軽井沢といった、犀星が暮らしていた場所を描いた随筆が多く選ばれているが、日常の題材を書いていても、そこに表れる「審美眼」の深さに、あらためて犀星の文豪ぶりを感じた。

2019/10/22

★★★★☆(詩人であり、小説家であり、随筆家でもある犀星。犀星の随筆を読むと、より独得の人間味を感じさせてくれる。萩原朔太郎が、俳句を例に「彼の俳句の風貌は、彼の人物と同じく粗剛で、田舎の手織木綿のやうに極めて手触りがあらくゴツゴツしてゐる。しかしそれでゐて何か或る頑丈な逞しい姿勢の影に微かな虫声に似た優しいセンチメントを感じさせる。そして粗野で逞しいポーズと、そのポーズの背後に潜んでゐる優しくいぢらしいセンチメントとは、彼のあらゆる小説と詩文学とに本質してゐるものなのである」と評したのもよく分かる。)

2012/09/29

泉を乱す

金沢に行く前に読んだ

アトレーユ

何度目?の再読。 今度の旅行で金沢に再降臨いたしますゆえ☆ 日本文学では一番好きかもしれない犀星。詩の方が、彼の感覚がより表されているとは思うが、小説もエッセイも、少し艶っぽくてやさしい視点で書かれていて、読んでいると時間の流れがゆったりな感覚になる。

2015/05/08

しゃん

金沢、馬込、田端、軽井沢と犀星にゆかりのある土地に絡んだ随筆を一冊にまとめた本。 特に、金沢に関する描写は、金沢の土地の湿気を帯びた空気感がそのまま漂ってくるよう。成巽閣や兼六公園が古久谷の感じだという表現(「故郷を辞す)は、言われてみてなるほどと思わせるものであった。犀星文学に金沢の存在はかなり大きい比重を占めていると改めて思った。 また、犀星が文学を志しながら、10代に裁判所でさまざまな我慢をしながら仕事をし、30代で日の目を見るまで貧窮に耐えていたことを知り、不思議な勇気を得ることができた。

2013/11/09

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