平凡,私は懐疑派だ: 小説・翻訳・評論集成 (講談社文芸文庫 ふE 1)
平凡,私は懐疑派だ: 小説・翻訳・評論集成 (講談社文芸文庫 ふE 1) / 感想・レビュー
oz
初読。上京した主人公が文学の毒気に当てられた様を、老年になって回顧する。郷里の父母の期待を裏切り、青春の殆どを費した文学は結局のところ「自分を主人公にして、雪絵さんを相手にごたごたしたあげく幾たびとなく姦淫するのを、あやふやな理想や人生観で ごまかして、高尚めかして書いたもの(原文ママ)」でしかなかったと語る。四迷自身、逍遥の「言は魂なり、文は形なり」を『浮雲』で実践し、文壇の寵児となるも文学は男子一生の仕事になりえぬと筆を折った。自然主義文学のエピゴーネンを標榜しつつそれに強固な批判を浴びせている。
2013/11/12
押さない
「平凡」「私は懐疑派だ」「四日間」「小説総論」「遺言状・遺族善後策」「予が半生の懺悔」「余が翻訳の標準」もっと多くの創作小説を書いて欲しかった一番の人は四迷だ。面白いのに、ともかく少ない。翻訳や短編エッセイならまだあるが、そちらも多作とは言えない。あんまり悔しすぎて腹が立つことがある。もしも遠い未来向こうでお会いする事ができれば、怒りをぶつけようと思っている。
2017/11/06
ヤマニシ
「平凡な者が平凡な筆で平凡な半生を叙するに、平凡という題は動かぬ所だ、と題が極る。」(p13)
2023/01/01
文体に驚愕する。完成され切ってる。
2016/05/11
ピラックマ
落語と新聞をネタにラノベを書きました感。「平凡」最高。
2011/12/17
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- 出版社
- 左右社
- 発売日
- 2019-11-01
- ISBN
- 9784865282511