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鬼火・底のぬけた柄杓 (講談社文芸文庫)

鬼火・底のぬけた柄杓 (講談社文芸文庫)

鬼火・底のぬけた柄杓 (講談社文芸文庫)

作家
吉屋信子
川崎賢子
出版社
講談社
発売日
2003-03-10
ISBN
9784061983267
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鬼火・底のぬけた柄杓 (講談社文芸文庫) / 感想・レビュー

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YO)))

ガス火が正に鬼火に変わる「鬼火」も凄みがあるが、女マッサージ師が、「自分を鶴の生まれ代わりだと思ってくれ」と言った男とのいきさつを客に語る「鶴」が良い。本当のところの世知辛い事実は了解されてあるのだろうが、何というか"物語"になるまで繰り返し話されてきたのだろうなと思わせる厚みを感じる。

2019/01/08

いの

私は「花物語」が好きです。今回は趣向を変えてこの本を選びました。孤独のなかに天使をみた「童貞女昇天」は純粋に信じるものがひとつしかないだけに妙に恐い物語でした。若い女の肉体にマリア様を重ねてみる尼僧に邪念というものが本当になかったのか、寂しいお話でしたけれど美しい形で終わっています。拒絶すらしようのない「鬼火」もすごい。よく考えたらゾクッとする「宴会」はなかなか小粋な作品です。後半は俳人伝となっています。

2020/01/09

zumi

全体の雰囲気が本当に気に入った。幻想的で蠱惑的、こういうの結構好きです。初めて吉屋信子の作品を読んだが、こんなに面白いものだったのですね。特に女性の描き方がいい、美と狂気と孤独と寂しさの全てが、こう絶妙なバランスで溶け合ってますね。「童貞女昇天」で火の中に、「もう一人の私」で海の中に、それぞれ入っていく場面に惹きつけられた。吉屋信子の少女小説(という括りでいいのか不安だが)、他にも読んでみたくなった。

2014/06/01

ちゃっぴー

短編7編と俳人伝。ゾゾッとする狂気に美しさがありどれも面白かった。「童貞女(びるぜん)昇天」や僅か10ページくらいの「鬼火」が印象に残る。「墨堤に消ゆ」では火焔のなかでの木歩と声風の別れに鼻の奥がツンとした。

2019/04/11

藤月はな(灯れ松明の火)

瓦斯の集金係の言動に腹を立てつつも女性の最期が凄まじい「鬼火」は物悲しいです。ちくま文庫の文豪怪談シリーズで読んだ作品も多かったのですがやはり、物悲しくも純粋な印象です。「童女昇天」は神父の勝手な支配意識によって一人でシスターになってしまった少女が逃げてきた遊女の裸体の美しさに聖マリアからの導きを待っていたという場面が真摯で痛々しいです。尾崎放哉などの歌人の人生と歌に焦点を当てた作品も作者の歌への優しさが満ちていました。

2012/04/12

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