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佃島ふたり書房

佃島ふたり書房

佃島ふたり書房

作家
出久根達郎
出版社
講談社
発売日
1992-10-01
ISBN
9784062055406
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佃島ふたり書房 / 感想・レビュー

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kawa

明治から昭和30年代に渡って東京の下町・佃島の古書店「ふたり書房」を舞台に、古書店に勤務する郡司・六司の友情を縦糸、当時の左翼系発禁書の縁から知り合う大逆事件・管野須賀子らとの交流を横糸に、幻想ミステリー的な展開も交えながら物語が進む。70年代の懐かしい名画座作品を鑑賞した気分。戦前・戦後の古書ビジネスの様子を知れることも本好きには嬉しいおまけ(1992年刊)。

2023/05/20

たなかはん

明治の末から1964年までの、東京の古本業と本を愛する人達と、その人間模様を描いた作品。 本棚に寝かしたまま20年ほど経ってしまった事も手伝って、92年の作品だが昭和30〜40年代の作品を読んでいるような古めかしさを感じたのは、作者の豊富な古き良き語彙の影響だと思う。

2021/12/31

moonanddai

なんというのでしょうか(ちょっと恥じらいながら言葉を選ぶと)「人生」みたいなものを感じます。生きながらいろいろな人と関わり合い、お互い知ってることもあり、知らないこともあり、それでいて深く関わりあったり、関わりあうのを避けたり…。(またちょっと気障に言えば)「古本」もそうなんでしょうね。手に入る本もあれば、どうしても手に入らない本もあり、知らずに通り過ぎる本もある…。出久根さんの話を読んでいるとそんなことを考えされられてしまいます。

2017/10/27

中身はおじさん

ふむ、難しい(笑)いや、難しくはないんだが・・半七あたりのわかりにくさに通ずるわかりにくさというか、いやむしろ、わかりやすい人情物にしなかったところが、直木賞なんだろうなぁ。特に前半の、話し言葉が良い。イナセでもない、おしゃれでもない、「あぁ、そうそう、昔の大人はこんな話し方をしていたねぇ」後半が、普通の物言いになったのは、もったいなかった。時代が下ったとはいえ、いやまだ、充分に話されていたはずだけれど?ふーむ、1992年初出か、以外と新しくて、びっくりだ。

2023/07/28

おさむ

今どきのビブリアのような古書店ものかと読み進めていくと、裏切られます。郡司と六司が翻弄された明治から昭和にかけての日本社会の大変動。同時に古書のあり方も変遷したのですね。異端の書がない現代の素晴らしさを再認識しました。直木賞受賞作。

2013/07/19

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