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ゴシックハート

ゴシックハート

ゴシックハート

作家
高原英理
出版社
講談社
発売日
2004-09-14
ISBN
9784062125192
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ゴシックハート / 感想・レビュー

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コットン

ゴシックとは何か?からはじまるゴシック考。高原さんはマスメディアによる現代の私たちの生の捉え方は「生きるってすばらしい」が基本だ。しかし、よく考えるとひどく偏っている。生の明るい面だけを見ていようとする欺瞞があり、半面には恐怖などがあり、恐怖を求めるゴシックの心とは、崇高に向かう心だと言う。そしていろいろな作家や画家・漫画家の紹介:澁澤龍彦、三島由紀夫、中井英夫、山本タカト、丸尾末広、楠木マキ、多田由美、ブルトン、マンディアルグ、レメディオス・バロ、レオノーラ・キャリントン、etc

2016/02/02

青蓮

再読です。ゴシックとは何か?を考察した本。ゴシックを構成する要素をいくつかに分けて丁寧に説明しています。これを読む限り、やはり私の精神は「ゴシック」にあることが再確認されました。流石にこの歳になってゴスファッションに身を包むには抵抗があるけれど、それでも生涯「ゴシック」であり続けたい。

2015/08/02

梟をめぐる読書

『エヴァ』や『攻殻機動隊』など、従来「ゴシック」という文脈からは切り離されて受容されてきたような作品も広く取り上げ、様式でも美学でもない感受性としての〝ゴシック〟を解読する。ゴシックとは一定の需要のもとに流通する少数派のための文化ではなく人間の根源的な欲望に支えられたものであること、また自分自身ある作品に対して抱いていた愛着のうちの幾分かはゴシック的な感性に拠っていたことが明らかにされるにつれ、改めて〝ゴシック〟というものの影響力を考えずにはいられなかった。ゴシックさんのための本、というだけではない良書。

2013/04/29

りりす

私は、否、私も、『完全に意識的な主体であってかつ無垢な客体』となりたい。趣味の人形やぬいぐるみは、客体の極地であるそれに憧れているからと、自覚をしている。物語ではいつも、主体性の目立たない、何者かに常に付き従う人物に惹かれる。主体を持つことの汚れやしがらみから解放されたいと感じる。しかし主体性を放棄する気はない。矛盾。いつも不可能に素手で手を伸ばしている。

2016/03/14

Arowana

(メモ) 〝ゴシックな発想・感じ方・考え方にはいわゆる正しさや公正さに添わない部分がある。一方、欲望・憧憬・怖れといった心の動くにはどこまでも忠実である。欺瞞を嫌う。正統や正義や平等意識に自己同化することはない。その立場はどちらかと言えば悪者のそれに近い。ゴシックの側からは、最悪のもの暗いものを見ないようにしていつも当たり障りない多数派でいようとする人々の軽薄な安心感が許せない。「これを見ろ」と惨憺たる事実や物、物語や絵を投げつけたくなる。このようにゴシックとはあくまでもマイナーな意識なのだ(241頁)〟

2013/05/03

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