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神なるオオカミ・上

神なるオオカミ・上

神なるオオカミ・上

作家
姜戎
唐亜明
関野喜久子
出版社
講談社
発売日
2007-11-29
ISBN
9784062138499
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神なるオオカミ・上 / 感想・レビュー

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ハチアカデミー

これは中国版、オオカミ版『白鯨』だ。モンゴルの遊牧民たちの生活とオオカミのかかわり合いを身を持って体験することで学んでいく青年のビルドゥングス・ロマンである。自分たちの生活を脅かす存在でありながら、時には狩る対象でありながら、なぜオオカミを崇拝するのか。死に際して己の肉体を捧げるのか。それは草原で生活するための哲学を狼から学んでいるからだと主人公は知る。安易に共存という言葉を使うことが躊躇われる厳しさを持つとしても。オオカミという他者が、人間を規制することで、守られている秩序があるのだ。下巻に続く。

2014/07/16

Sakie

果てしないモンゴルの草原と人々の暮らしの描写にたちまち魅了された。黄羊、犬、馬、羊、牛、野鴨や白鳥、そしてオオカミ。それらの調和を尊ぶ信仰と呼ぶべき民族の心。それは同じオオカミを神と頂いても、日本のそれとは似て非なる。漢民族である主人公は遊牧民族に憧れ、思索し仲間と討論するが、野鴨の卵を大量に食ったり、どうも遊牧民族にはなりきれないようだ。農耕民族と遊牧民族。漢民族とモンゴル民族。古来対立し攻め合ってきた中国の歴史の重奏。その思想や風習は、影響し合いもしたろうか。『オオカミの負けが、草原の負けの前ぶれ』。

2019/03/09

ぽけっとももんが

とにかくオオカミの話だ。文化大革命時代、北京からモンゴルの草原へ下放された陳陣は、すっかりその生活に魅入られているようだ。馬や羊、牛を飼い、その草原を維持するためにオオカミが大きな役割を果たしていることを遊牧民たちは身をもって知っている。わたしは内モンゴルではなくモンゴル国に行ったことがある。あの途方もない大草原や馬を自在に操るこどもたちを思い出す。さてこの本何がいいって、各ページに固有名詞の振り仮名があることですね。各章冒頭ということはあるけれども、これは固有名詞で止まることがないです。

2020/08/04

慧の本箱

狼好きには堪らない作品でした。狼がモンゴルとここまで密接だとは認識不足で、読み進めば進むほど引き込まれ、陳陣と同じ様に狼に魅了されていきました。モンゴルの長老の考え方と、組織を嵩にきた小役人たちの稚拙な考えとの差はどこの国にもどの時代にもあって、人間のつまらない見栄と強欲と権力欲がある限り、永遠の課題です。

2016/03/26

つくし

壮絶。共存、と表現するにはおこがましいかもしれない。しかし生態系はこの捕食者なしに守られない。生き物が何かを食べるとき、それによって何が守られ、循環しているのかが度々説明され、狡猾で凶暴な狼もまたその一部であり要であることが描かれています。描写がとても具体的で、生々しい生命を感じました。人間の実利で生態系が崩されようとしているようだけれど、下巻は何が書かれてるんだろう。久々の貸出延長。

2017/12/13

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