樂しみは
樂しみは / 感想・レビュー
新地学@児童書病発動中
江戸時代末期の歌人橘曙覧の歌に新井満氏が自由訳をつけたもの。さあっと読めて心が柔らかにほぐれてゆく。どの歌も「たのしみは」で始まるところが面白い。橘曙覧はささやかな変化も心から楽しむ。その姿勢は見習いたい。たのしみは そぞろ読みゆく 書の中に 我とひとしき 人をみし時
2010/06/19
舟江
知人より書個展での大作を頂いた。その題材である歌の作者を知るために、図書館で検索したら14冊ヒットした。江戸末期の文人だが、良寛や西行と並ぶと同様、清廉に徹した人で、質素に生きることを信念とし、ひたすら心の自由・心の豊かさを求めたという。その作品の一つである「独楽吟」は、いずれの和歌も「たのしみは…」で始まり、「…する時」で締められている。全部で52首。贅沢になれた我々が再度、自分自身を省みるに良い本であった。
2017/04/22
双海(ふたみ)
「たのしみは艸のいほりの莚敷きひとりこころを静めをるとき」
2013/10/18
nabeko
たまたまネットで「たのしみは…」で始まり「…する時」で終わる独楽吟という和歌を知った。足るを知る。今自分にあるものを楽しむ。小さな変化を楽しむ。見習いたい生き方だなと思った。橘曙覧の和歌に添えられた情景が浮かぶような自由訳もよかった。最後に書いてあった「生きている。ただそれだけで。ありがたい。」という幸福論の原点を私も忘れないようにしたい。
2020/11/29
フジタ
生活の中のよろこびをしみじみとかみしめる。「たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時」は実にすばらしい。
2016/07/07
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