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二つの月の記憶

二つの月の記憶

二つの月の記憶

作家
岸田今日子
出版社
講談社
発売日
2008-01-18
ISBN
9784062143998
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二つの月の記憶 / 感想・レビュー

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chimako

夜のお話ばかり。エロティックで幻想的。岸田今日子さんそのものだなと変に納得する短編集だった。夜中抜け出してオートバイの後ろに乗るおばあちゃんやいつからか仮面ライダーの悪者になった幼馴染みはまだほほえましい。「K村やすらぎの里」からは大人として充分楽しんだ。妄想が生んだ犯罪はまるで誰もが知っているあの狙撃事件のようだし、猪に魅せられる雌豚は女そのもの。性同一性障害の女の子と男性性器嫌悪症のカメラマンの恋や時を越えた自身を見つめる女優の話は初めての世界を目の前にしたようだたった。少し怖い挿画も本に合っている。

2016/08/22

あじ

女優岸田今日子の個性的な掌編を、じっくりと堪能できる作品集です。幻想と怪奇と現実を自在に操り描かれる世界観は、実に独特な心地よさがあり暇を告げるのが惜しくなりました。小泉今日子さんがお好きだと仰っていた一編「オートバイ」は、私もお気に入りです。お茶目な岸田さんがウィンクを投げかけてくる、そんな可愛らしいオチでした。次も小泉さんのお薦めで、岸田さんとお姉様の共著を読みたいと思っています。

2016/01/31

麻衣

ハサミでさくさくと作った金紙の月がカーテンレールの上からわたしをみている。この部屋は夜になった。不自然に残酷な架空の町に、ぺちぺちと黄色い目をひからせながら夜汽車は走る、太古の記憶を仄めかせて。世界はまんなかに寝そべっていると月が天と地どちらにも昇り、ふたつに別れたそれはやわらかい暴力でもあり、忠実に壊れた町の模型を照らしている。受け入れると、夜は少しだけいろを増して笑ったようだった。わたしのこどもはとても不思議そうな顔でわたしを覗き込んでは、置いてきた半分がたぶんあちらがわにいる。→

2020/11/22

タカギ

岸田今日子さんの最後の本。掌編が7つ。ノスタルジックで残酷で震える。全部良い。佐野洋子さんによるあまりに素晴らしい本の帯──<かけがえのない快楽には少しの毒のあるユーモアと不思議な愛とエロスが必要です。今日子さんをそのまま食べて下さい。>お二人に交流があったことは『妄想の森』でも少し書かれている。岸田さんの創作の源は何だったのか、とても知りたい。ぼんやり妄想に耽って、よく眠る人だったことは、やっぱり『妄想の森』で知ったけれど。

2019/12/02

skellig@topsy-turvy

ふらっと、常識と理性の世界から転落して見える景色。徹底的なすれ違いに氷めいた悲哀と滑稽味を感じた「逆光の中の樹」、静かに外れ続ける歯車のような愛を描いた表題作が特に印象深かった。

2013/11/14

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