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慢性拳闘症

慢性拳闘症

慢性拳闘症

作家
香川照之
出版社
講談社
発売日
2011-02-04
ISBN
9784062167567
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慢性拳闘症 / 感想・レビュー

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ホークス

香川照之は過剰な人である。自分でもコテコテと言うほどやり過ぎる。熱狂的なボクシングマニアである氏は、何の因果か映画「あしたのジョー」実写版で丹下段平を演じ、氏の巻き起こす連鎖反応は、ボクシングと映画の神を度々現場に降臨させる。本書はその撮影日誌である。力石役伊勢谷友介のパンチが、ジョー役山下智久の頭部に何度もヒットする。山下の志願なのだが、氏は「映画の撮影はこんなマゾヒスト集団で成り立つべきだ」とまで言う。山崎努の「俳優のノート」に匹敵するかは分からないが、俳優香川照之の過剰さが好ましくなる一冊。

2017/09/09

ユウティ

著者の30年分の高密度エネルギーがぐわあっ!!と覆いかぶさってきた本。福山でスタートし、辰吉にトヨエツ&佐藤浩一の美形のおっさんで盛り上げる。肝心の出演者は?力石は?うおー伊勢谷友介!!ジョーは…ガクッ!山Pだった。17歳テイクアウトに正気に戻ってしまった。周りのすごいお膳立て、甘ったれて…あーいやいや、『力石になれ。リング上で倒れろ。』などと言う著者や、プロのマジパンチをリクエストする伊勢谷さんが異常なのか。怒涛の文章、暑苦しい拳闘愛、大物芸能人のチョイ出しと楽しく読めた。感想が散らかってるなぁ(汗)

2020/08/23

ぐうぐう

映画『あしたのジョー』の撮影日誌。かと思いきや、事はそう簡単ではない。タイトルが示す通り、香川の偏執的な拳闘愛が、一俳優の撮影記録という枠をガタガタと揺るがせていく。香川は矢吹丈における丹下段平のように、『あしたのジョー』という映画における拳闘アドバイザーと化していく。それは、一キャストの役割を迷惑なまでに超えている。それこそが、香川の深刻な病癖なのだ。しかしやがて、香川のその異常な熱意は、『あしたのジョー』という映画の精神的支柱となる。まさしく「あしたのために」香川の奮闘があったのだ。(つづく)

2011/03/03

me樹

映画を観た時は「(色んな意味で)段平スゲェ!」と思ったけど、香川氏が綴る、そこに至るまでの段平はじめジョーや力石の厳しさにはとにかく頭が下がる。山Pはやっぱ、アイドル歌手ではなくアイドル俳優路線だなと実感。(あくまでも個人的目線ですが。)この本を読了した今、改めて映画を観たい。

2011/05/24

katta

しまった、ただのアイドル映画だと思っていた『あしたのジョー』がとんでもない名作に思えてしまう。それだけの文章力があるのだ、香川照之には。当代の俳優の中でピカイチの文章家なのはわかっていたが、そこに愛してやまないボクシングの映画に関われた喜びが溢れ渦まき、ややもすれば鬱陶しいくらいの力の入れようである。打たれ続けてもはやダウン寸前の日本には、この本が必要だ、立て、立つんだ!

2011/03/14

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