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修羅の宴

修羅の宴

修羅の宴

作家
楡周平
出版社
講談社
発売日
2012-07-19
ISBN
9784062177146
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修羅の宴 / 感想・レビュー

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utinopoti27

本作は、戦後最大の経済事件として有名な「イトマン事件」をモチーフにした企業小説です。滝本は、商社の経営再建を託されて、社長として派遣された大銀行の役員だ。折しも到来したバブル景気に乗り、やがて天下を取る夢に魅せられた彼は、次第にマネーゲームという名の修羅の道にはまり込んでゆく・・。バブルに踊り、魑魅魍魎が跋扈する世界で、破滅の予定調和に向かって突き進んだ男の野心が哀れを誘う。ただ、この事件は関係者が多く、構造がやや複雑なため、説明調の冗長な部分が目立ち、万人受けする内容ではなかったかもしれません。

2018/10/17

キムチ27

てっきり、10年余り前の本と思ったのだが裏付けを見ると2012年発刊。なんで今さら・・と云う気がしないでもない。「バブル期における修羅の宴」・・浪花の夢、また夢ばかりなるおぞましさのおさらいかと楽しむ。と云っても、人が浮かれた跡を見るのは「ケタくそ悪い」と云えなくもない読後感。イトマン事件、住銀、許氏らの仕舞はどす黒い闇に包まれえて真相は殆ど霧の中感ありらしい。ただ思うのは滝本の姿。功なり、名を遂げんとした男が「学歴牙城に向かって敢え無く瓦解した姿」の虚しさ。将棋の世界でいえば金を手にしたと思う間もなく

2015/01/27

ペーパーピーポー

タイトルと内容がドンピシャ(死語)鬼神より私欲に溺れた人間の方が間違いなく怖い。

2020/09/29

そうたそ

★★★☆☆ イトマン事件をモチーフとしている作品。調べてみると、パッと見ただけではすんなり理解できないほど複雑な様相を呈している事件。そんな事件をこうしてスマートに作品としてまとめあげる力量は流石のもの。内容は、まさにバブル時代の光と闇を凝縮したような印象。今では考えられないほど粗雑で豪快な会社経営がなされている。時代に翻弄された結果、虚しくも堕ちていくような人間たちが何とも哀しいというかやり切れない。一方で行方の分からぬままの巨額資金という闇もまたバブル期という時代の怖さ。

2020/09/12

シュラフ

イトマンを舞台にバブル時代におこったことが書かれている。若者には いまさら何故にバブルをテーマにした小説かと思うかもしれないが、我々40代後半の世代にとっては今もって"あの時代(バブル)はなんだったのか"と考えてしまうのである。物語を読んで感じたことはふたつある。ひとつは 生き様というものを持っていないと人間はおかしな方向にいってしまうということ。もうひとつは 物事の判断にあたっては理屈だけで整理してしまうことは危険ということ。結局 バブルは崩壊する。官が強い日本の国は民が過度の力をもつことを許さない。

2014/02/25

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