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未明の闘争

未明の闘争

未明の闘争

作家
保坂和志
出版社
講談社
発売日
2013-09-28
ISBN
9784062184922
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未明の闘争 / 感想・レビュー

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踊る猫

保坂ワールドは一作ごとに確実に進化/深化している。悪く言えばコアの部分はワンパターンでもある。女性をややエッチな視点から描き、野郎たちのバカさ加減を書き、猫を書き風景を描写する。その筆致は綿密を極めるが決して読みにくいわけではない。読みやすく、ややもすれば退屈さしか感じさせない部分を豊満な情報量を盛り込んだ文体で描き切り読ませる。今回の鑑賞で、やっぱり保坂の世界とフェミニズムは相容れないのではないか、と思った。助平さというかしみったれた欲望があからさまになるあたり、男性の私から読んでも馴染めないままである

2022/03/21

Bartleby

読むのにとても時間がかかった。どこに行く時も持って行ってちびちび読み続けていた。途中退屈に感じることもあったけれど終わりのところではこのままいつまでも続いてほしいと思っていた。読んでいないときにもふと、本の中の人物や猫たち、あるいは彼らの言葉を思い出すことがあって、そうしたひとつひとつが自分にとっても懐かしい、大切な思い出のように感じられた。

2013/12/08

つーさま

どうもこの作品は普通の小説とは違う。冒頭からしてそうだ。<私は一週間前に死んだ篠島が歩いていた。>所々にこうした主従関係のおかしい文章が見られる。変なのはそれだけではない。ある時間の流れに異なる時間が何の前触れもなく注ぎ込まれ、しかも足跡だけ残して突然表舞台から消え去ってしまう。そのせいか分からないが、小説を読んでいるというよりかは立ち現れる場面場面に偶然居合わせてしまったような感覚がした。しかし、そんなただの通行人にも、うまく言葉にできない感情が不意に込み上げてくる瞬間が何度もあった。

2013/10/12

水原由紀/Yuki Mizuhara

だらだらと読み続けていたら一ヶ月もかかった。37~42のイメージの飛躍やセンテンス単位で切り替えられる視点・空間・時間の飛躍の尋常でなさ。『族長の秋』なんかに近いところがあるかもしれない。「私」が持つ知覚範囲の拡大と記憶力、跳躍を延々と繰り返し続けて最終的にどんどん分散し私=世界というか、私と世界が裏返る瞬間が間違いなくある。全く違う映画のフィルムを数フレーム分だけ重ねて貼り上映したような操作の手つきは半ば強引とも取れるが、構築されるイメージや世界の強固さ(あるいは脆弱性ゆえの強さ)は圧倒的。

2013/11/17

OHNO Hiroshi

保坂和志の日常の描写の、作品の好き嫌い。それは猫が好きか、嫌いかにあるのかも知れない。読んでいて、すんなりする時もあれば、そうではない時もあるが、こういう作家はいないので、日記系のブロガー(死語か)とかに特に保坂和志は人気である。一つのお手本。気持ちよく、いつも読める。

2021/08/19

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