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原発ホワイトアウト

原発ホワイトアウト

原発ホワイトアウト

作家
若杉冽
出版社
講談社
発売日
2013-09-11
ISBN
9784062186179
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原発ホワイトアウト / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

現役のキャリア官僚が書いたことになっているが、真偽のほどは分からない。原発をめぐる電力会社、中央省庁などの動きには相当に詳しいことは確か。原発行政への警告の書である。小説としての最大の仮構は、某共和国工作員による送電線の破壊⇒原発ホワイトアウトにあるのだが、中核をなすのはむしろ東電(小説では関東電力)と、経産省による電力利権の暴露にある。フィクションの形を取っているのは、不正確な部分や想像に及ぶ部分に関して「あくまでも小説だから」と言い逃れる余地を残すため。権力に、愚民たる我々は、はたして抵抗しうるのか。

2016/05/16

みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます

原発事故を起こしながらも、その利権を手放すまいと再稼働に向けて暗躍する政財官の動きを、現役官僚でもある著者が小説にして世に問うた一冊。さすがに現実はここまでの策動を許してはいないが、やろうと思えばここまでできる力が原発利権に群がる人たちにはあることを思い知らされるだけの生々しさがあり、恐ろしくなる。この強大なシステムに一撃くらわす爽快感が欲しかったが、それは現実で、ということか。著者の発する警告が現実のものとならないように、本書が多くの人に読まれ、原発の問題が風化されることなく考え続けられてほしいと願う。

2014/06/27

koba

★★☆☆☆

2014/02/04

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

現役キャリア官僚が書いた告発ノベル。原発だけでなく、今の電力行政その物を痛烈に批判しています。ただ、敢えて言わせてもらうと、惜しい、中途半端な出来。原価総括方式で得た裏金作り、経産省と原子力規制委員の馴れ合い、マスコミによる情報操作、でっち上げた汚職事件。どこまでが事実で、何処からがフィクションなのか。立場上難しいとは思いますが、出典を明確にし、ノンフィクションとして上梓していただきたかった。エンタメとして読むと筋書も文章もやはりぎごちない。興味深い内容だけに残念です。★★★+

2014/04/13

Yunemo

うーん。どこまでが事実なの?かなりの部分がと思います。脱原発を阻む原子力ムラの結束は固い。原発についてははっきりできない自身のもどかしさ、ここが自身の弱さを感じているところ。東海村の村上村長の言葉が重い。本作品においてもう一つ、官僚の生態、政官界の慣行、官僚とマスコミ・業界とのかかわりが生々しい。その分物語としてのもどかしさを感じてしまうのも事実。以前、同様告発もので、金融行政を語った「三本の矢」があった。当時現役官僚との話があったがいまはどうしているんでしょう。現役官僚の作者若杉氏の今後は?

2013/10/21

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