怪談四代記 八雲のいたずら
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怪談四代記 八雲のいたずら / 感想・レビュー
HANA
曽孫が綴る小泉家年代記と言った一冊。怪談に触れている部分は一部だけだが、八雲の故地ギリシャやアイルランドを辿る旅とそこに息づく八雲に縁を持つ人々。八雲亡き後の小泉家のあれこれや意外な著名人との繋がり、鴉や鷺との因縁等、小泉八雲を読んだことのある人間なら興味を惹かずにはいられない話題が満載。また代々伝わる八雲の思い出等もその人柄を偲ばせるものが多い。各地に残されてた八雲の痕跡、それを巡って様々な繋りが芽吹く様も読んでいて心地よい。やっぱり偉大な作家はその死後も途切れることなく影響を与え続けているんだなあ。
2014/08/10
おか
八雲の曾孫が八雲の足跡を辿って、ハーンの母親の故郷 キシラ島に行ったり、ギリシャやアイルランドに周り、その地では未だにハーンが息づいているのを確認する。 松江で行われていたゴーストツアー行ってみたかった。再開してくれるかなぁ
2022/03/20
藤月はな(灯れ松明の火)
小泉八雲の家族と彼らに縁のある人々との交流を玄孫の視点から描いたエッセー。『怪談』で紹介されている怪談もあれば、創作秘話である小泉八雲の奥様のエピソードもあり、小泉八雲初心者には程良く、親しむことができます。『如意輪観音像の呪い』が怖くも、家紋となった鷺や孫の訃報に対する小泉八雲の霊のエピソードにほのぼのします。後、小泉八雲が「子どもには幽鬼を見る素質が備わっている子もいるので理解もせずに一方的に叱ってその力を失くさせる教師がいるのはけしからん」と述べている所が好きです。
2014/09/30
りー
小泉八雲のひ孫による、小泉一族にまつわるエッセイ。怪異譚に関してはさほど取り沙汰されておらず、どちらかというと「まああり得るレベルの偶然だよな」という合縁奇縁にフィーチャーした内容である。しかしそれは著者が怪異の口伝という文化を当然とする家に生まれたからこその感覚で、多分もっとこう、いろいろ怪異や伝承に関する小話がたくさんあったんじゃあないのかい凡さん!と、そこはかとなく物足りなさを感じた。とは言え小泉家に関して穏やかな語り口で綴られるエッセイは八雲ファンであれば微笑ましく楽しめるものばかりだ。
2014/09/22
yuzuriha satoshi
不思議なものを見る目と心は 何代先になっても受け継がれる 人のみないものを見るのは特別なことじゃない 同じものを見ていても とらえ方が違うから見えるものがある それをことさらに人に語る人は本当は見えていないのだろう 見えることが普通なら その度に大騒ぎしていられないのだから 本当の怪異は ゆるゆると何代にもわたって語り継がれていくものなのだ
2014/10/24
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- 光村図書出版
- 発売日
- 2022-08-05
- ISBN
- 9784813804147