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西太后秘録 近代中国の創始者 上

西太后秘録 近代中国の創始者 上

西太后秘録 近代中国の創始者 上

作家
ユン・チアン
川副智子
出版社
講談社
発売日
2015-02-11
ISBN
9784062194020
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西太后秘録 近代中国の創始者 上 / 感想・レビュー

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だまし売りNo

歴史を振り返ると中国近代史の問題の出発点は阿片戦争であった。違法ドラッグを蔓延させて侵略することは世界史でも類のない非道である。しかし、李鴻章ら士大夫が阿片戦争に衝撃を受けた様子はない。それは清が征服王朝ということがあるだろう。これに比べると西太后は満州貴族の家に育った者として、また、皇帝の後宮に入った者として阿片戦争の影響を受けている。問題意識を士大夫階級以上に抱く環境にあった。西太后は反動的な守旧派イメージが強いが、近代中国の創始者と位置付けることは意外と合っている。

2023/12/03

星落秋風五丈原

ライバルの側室の手足を切り取ったなど、すっかり世界三大悪女という評判が行き渡っている西太后。それでも日本では浅田次郎さんの『蒼穹の昴』の影響で少しは評価が高まっている方だ。中国は国を称えることは遠慮しないが、君臨した女性を称えることはしない。我が国と同じく未だ女性の為政者が誕生しておらず、根本的な男尊女卑思想を感じる彼女は守旧派で、改革派の光緒帝と対立したというのが通説だが、本書ではむしろ外国との貿易を推進し、優れた技術を取り入れることを奨励した改革派に属している。

2022/02/01

ねこまんま

面白いなあ!彼女がもし男だったら、中国が、いや、世界が変わっていたことは間違いない。浪費家でヒステリーな悪女のイメージがあったけど、周りの男が頼りないだけやん。東太后と常に協力関係にあったってのも驚き。これだけ女性が虐げられていた時代に君臨するなんて、小説より奇なり?! 下巻へ続く・・

2016/01/29

かんやん

近代中国の立役者として西太后を評価。名誉回復の試み。『ワイルドスワン』同様、読み出すと止まらない語り口の巧みさがあるけど、主人公ひとり正しく立派で、敵やライバルは傲慢、腰抜け、狡猾だったりするような歴史小説となんか似てるなあ。えらく西太后びいきで(今まで貶められてきたにせよ)、あまり客観的でない。とはいえ、歴史読み物としては抜群に面白いし、宮廷描写も一級。上巻は阿片戦争、アロー戦争、太平天国の乱、ヤクブ・ベクの乱、清仏戦争、日清戦争……。ため息が出ちゃいます。それと凌遅刑ね。

2023/02/11

starbro

浅田次郎の小説等で西太后に関しては、断片的な知識・認識はあるものの、本格的な歴史書は今回が初めてです。中国からの膨大な情報開示に基づき、実態に近い歴史が客観的に明らかにされています。激動の19世紀に生きた孤高の女性権力者の生き様には凄まじいものがあります。トータルの感想は下巻読了後に。

2015/05/05

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