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風の色

風の色

風の色

作家
鬼塚 忠
クァク・ジェヨン
出版社
講談社
発売日
2015-11-11
ISBN
9784062197465
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風の色 / 感想・レビュー

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emi

最初から映像化される事を知った上で読んだ、ミステリ要素が加わった恋愛小説。確かにとても映画的なストーリーでした。東京と北海道の流氷を舞台にした、ミステリアスな女性との恋愛。でもミステリアスなのは実は女性だけじゃないんですね。端的な言葉に、マジック、そして美しい景色が浮かぶようなシチュエーション。人の数だけ愛の形があるなら、こんな愛もどこかにあるのかも。まさにこれからやってくる、ぴんとはりつめた寒さの中で読むのにぴったりの恋愛小説。不思議と、本を読んだという感覚ではなく、映画をみたという気持ちになった一冊。

2015/12/05

眠る山猫屋

古典的にも感じられた、メロウな、とてもメロウな物語。冒頭で暗示されるパラレルワールドの概念。ファンタジーなのか?SFへ舵をきるのか?少し古臭い(SF)空気感に戸惑う。星新一さんの時代を回顧したのは僕だけかな?不思議な女性に魅せられた普通の男がマジシャンになる過程。平行して進むもうひとつの悲恋。物語が現実へと結実していく中、主人公を導くのはもうひとりの自分。映画がもの凄く気になる。早くDVDにならないかな。

2018/12/26

assam2005

「猟奇的な彼女」が大好きなので、手に取ってみたクァク・ジェヨン監督原案のこの一冊。監督の演出が映えそうなラブストーリーでした。監督の演出ありきで読んだせいか、少し重く感じました。今生きているリアルな世界から目が覚めたら、その世界は現実ではなくなるのか。愛した人でさえも幻になるのか。愛する人の側にいることの喜びと同時に、失う苦しさがじわじわ感じられ、胸締め付けられました。ただ、男性の側の心理がイマイチ理解し切れずラストで「?」となってしまったのが…もったいない気がします。

2015/12/09

kyon

『僕の彼女を紹介します』の監督が原案の作品。東京を舞台に涼とゆり、北海道を舞台に亜矢と隆、二組の恋物語が並行で進んでいきます。隆はマジシャンであるが、流氷からの脱出パーフォーマンスの際、行方不明となってしまう。また、涼の元には、ゆりの両親から突然の死が告げられる。突然の別れを迎えた二つの恋物語は、ある事をきっかけに一つの恋物語となっていく。ちょっとしたミステリーもありながら、久しぶりに『恋愛小説』が読めたなと感じました。映画監督原案なので、映像として見た方が良さそうだなというシーンが幾つもありました。

2017/08/21

日の丸タック

ドッペルゲンガー…解離性アイデンティティ障害… 人はどうしても受け容れられない、重たい困難な現実に向き合わざる得ない時、自分自身の精神状態やバランスを維持するための逃げ道として困難な状況の自分を客観視する第三者的な視点を持つものなのか? それを意識的にコントロールできなくなった場合、またはコントロール不能な状況に陥った時に『解離性アイデンティティ障害』として破綻をきたすのか? この物語はコントロール困難な状況に折り合いをつけるプロセスか。 映画のシナリオ的な進行で、映像が浮かぶような読後感でした。

2016/04/03

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