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YKK秘録

YKK秘録

YKK秘録

作家
山崎拓
出版社
講談社
発売日
2016-07-20
ISBN
9784062202121
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YKK秘録 / 感想・レビュー

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あじ

記録魔である山崎拓氏が過去の衆議院手帖を元に、時系列で並べ綴った手記です。政局を動かし日本を回す政治家の日常は、想像に難しいほど倍速でした。二歩も三歩も先を読む頭脳と立ち回りの早さ、そして縦横無尽な相関図の展開。水面下に軍師はいるんですね、この現代にも。『YKK』の三人のポジション(役割)も端的ですが書き込まれ、歪まない絶対的関係が分かりました。国政初の三人揃い踏みであった1972年12月、この時が歴史軸にYKKが加わった瞬間でした。

2017/02/11

kotte

YKKの一翼を担った山崎拓さんが議員在職中に首相、閣僚、政治家、マスコミ関係者等と交わした会話が基になっている本です。55年体制崩壊、加藤の乱、小泉首相誕生までの流れが山崎拓さんの視点から書かれています。本書は上記のような政治の転換点といえる時代に国家の中枢にいた山崎拓さんの記録ということもあり、資料的価値は極めて高いものと評価できます。また、随所に氏家齊一郎氏と渡邉恒雄氏の名前を出し、マスコミと政治の関係がリアルに書かれています。

2016/12/11

Tak

文庫版にて完読。与党トップクラスの忙しさと政治家の余程秘密が保たれるのか料亭好きは凄いですね。ナベツネの企業の私物化はどうかと思いましたが…しかし個性が違うYKKの3人が一時政治を引っ張っていた時代を思い出しました。個性はバラバラでも3人が相手を見捨てる時は見捨て助ける時は助ける関係だった事は良く分かりました。加藤の乱、田中外相更迭の裏話は面白かったです。ただ最後流していましたが落選した理由も書いて欲しかったかも

2018/08/26

Izutan

「加藤の乱」なんかなぜ起こしたのか。長年の疑問だった。しかし、これをよむことで少し解消した気がする。結局、小渕さんの続投が規定路線だった総裁選に無理やり出馬してしまい、旧田中派から総スカンをくらったので焦っていたのではなかろうか。そして、世論が味方につくと「思い込み」潮目を読みあやまった乱に続く。虎視眈々と潮目を見て、見事小泉フィーバーを起こし、総理在任中に旧田中派を追いやった小泉と比較して、やはり、加藤は政治家としては一枚も二枚も下だったと思われる。

2016/09/17

ラムネ

個人の信条、そして人と人の繋がり。結局、政治は人が行うものなのだと痛感する。何も特別なものではない。人がやる以上、感情があり、相性があり、意地があり、こだわりがある。智慧もあれば、鋭い勘、涙がある。あのYKKのY、山崎拓の著書である。加藤の乱、小泉劇場の真相ここにありだ。飯を食い、杯を交わす。その中で言葉が飛び交い、刺激され、流れが決まる。同じ卓でともに物を食べるという行為は、思った以上に凄いことなのかもしれない。何を食べるか、どこで食べるか、誰と食べるか。それがそれぞれの人生を決めると言える。

2016/08/09

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