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地検のS

地検のS

地検のS

作家
伊兼源太郎
出版社
講談社
発売日
2018-02-22
ISBN
9784062202930
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地検のS / 感想・レビュー

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しんたろー

伊兼源太郎さん初読み。巧い!作品が少ない人とは思えないほど、職人技のような一冊だった。ある地検の影の実力者=伊勢事務官を核に置き、立場の違う登場人物たちの視点で様々な事件を解きつつ「本当の正義とは?」を問う。理不尽な社会と人々の葛藤がヒシヒシと伝わってくる物語に惹き込まれるのは、人物描写の上手さと根底に熱い想いが込められているからと感じた。甲乙つけがたいレベルの高い5つの短編で、特に『血』には胸が震えた!本作は横山秀夫さんの連作短編集が好きな人には自信をもって勧められるし、今後も注目したい作家さんだ♪♪♪

2018/05/13

いつでも母さん

何気なく手にしたが、どうしてどうして なかなか面白かったです。地味なポストのはずの地検の総務課長・伊勢が絡む短編5話。清濁併せ呑むって感じで、それぞれの立場の者が試される感じだった。同時に読み手も試される感じがした。ただ冷たいだけじゃないのが好い。特に好みは『置き土産』『血』だが、ラストの『証拠紛失』は、あゝ続きが読みたい。この本はもっと知られても良いんじゃなかろうか?

2018/04/02

🐾Yoko Omoto🐾

伊勢雅行、通称S。歴代次席検事の懐刀と囁かれ地検関係者を畏怖させる存在だ。事件記者、検察事務官、弁護士、女性検察官、総務課員らそれぞれが遭遇する事件に、伊勢からの意味深なアプローチを絡め、そこに様々な含みを持たせ繋げる展開が巧い。「シロとクロ」「血」はストーリーそのものが秀逸で、法よりも人間として正しい決断とは何か、正義の在り方を問うような硬派な読み応えがある。ただ、伊勢の言動や行動は実に迂遠で難解に過ぎ、その真意を推察する者の察しに説得力が薄く、都合が良すぎる印象も。時系列の倒置描写の多用も気になった。

2018/10/10

utinopoti27

一介の事務職でありながら次席検事の懐刀と称され、計り知れない人脈と深い洞察力で、陰の立役者として暗躍する湊川地検総務課長・伊勢。法曹関係者は、その独特の風貌からか、彼をこう呼ぶ。「地検のS」と・・。本作は『法の正義』並びに『裁かれるべき悪』とは何かをテーマに、彼を取り巻く関係者たちの目線で語られる事件が5編。とくに検察内部のパワーバランスの実態や、虚々実々の駆け引きが生々しく描かれるくだりには、ノンフィクションに似た説得力がある。ややクセのある独特の言い回しが気になるものの、心に響くヒューマンドラマだ。

2019/07/31

モルク

地検の総務課長伊勢。彼はSと呼ばれる。記者たちが呼ぶシロヌシというあだ名、総務課長のローマ字表記、警察用語であるスパイのエスそれら総じての「S」である。新聞記者、検察事務官、弁護士、検事などを主人公にした5つの短編集であるが、全てにSが関わることによって状勢が一変する。主役ではないが、存在感は大きい。特に母子の絆を描いた「血」が好き。罪人と悪人は違うという言葉や、正義とは何かを考えさせられた。骨太であり、思った以上にいい作品だった。

2019/05/08

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