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石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの

石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの

石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの

作家
清武英利
出版社
講談社
発売日
2017-07-26
ISBN
9784062206877
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「石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの」のおすすめレビュー

消えた10億円…「国家のタブー」に挑んだ名もなき刑事たちの戦い 清武英利著『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』

『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』(清武英利/講談社)

「政府の汚職は、常に過去形で報道される」という言葉がある。しかし、いくら時が進もうとも、世の中が浄化されようとも、残念ながら汚職が過去の出来事になることはありえないだろう。警視庁による汚職事件の摘発件数は過去に比べると、激減しているらしい。だが、この世の中から汚職が駆逐されつつあるとは、到底いえない。年々巧妙化する手口。かつて、汚職事件はどのように捜査されてきたのか。過去の事件を知ることは現代の問題に迫るヒントとなるのではないか。

 清武英利氏著『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』(講談社)は、2001年に発覚した外務省機密費流用事件を描いたヒューマン・ノンフィクション。清武氏といえば、『しんがり 山一證券 最後の12人』『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』など、自身の記者経験を武器とした徹底した取材をもとに描いたノンフィクション作品で知られるが、本作では、官邸・外務省を揺るがしたこの事件の舞台裏に迫っている。

 本作では、誰一人として脇役がいない。誰もが一人の人間として、…

2017/9/6

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石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの / 感想・レビュー

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遥かなる想い

第2回(2018年)大宅壮一メモリアルノンフィクション大賞読者賞。 外務省機密費の闇を追う 警視庁捜査二課の 刑事たちの物語である。冒頭にある 警察官の「石つぶて」の心持ちが潔い。 外部官僚たちの不正…この内容は 創作ではなく、 事実であるのが、奇妙に新鮮である。 読んでいると、霞ヶ関の腐敗の歴史が 今に蘇ってくる、そんな気がする 内容だった。

2018/06/21

ゆみねこ

外務省の機密費をめぐる汚職事件を暴いた、警視庁捜査二課の刑事たち。実録ということで、ノンキャリア・松尾氏が巨額の金を平然とネコババしていたことに驚き。各省庁の中でも外務省の際立つ汚れっぷりに呆れた。清武英利さん、初読み。

レアル

外務省機密費流用事件を扱ったテーマで描くノンフィクション。地道な捜査と捜査を阻止しようとする他所からの圧力と戦い。結末は分かっていても、ハラハラドキドキしながら圧倒される筆致に、読む手が止まらず一気読み。清武さんだからこそのこの迫力。ノンフィクションを扱った物語で不謹慎やもしれないが、素直に面白い。

2018/03/04

honyomuhito

実際に起きた総理官邸や外務省を舞台にした、未曾有の公金詐取事件を描いたノンフィクション。本作の被疑者の官僚が詐取したとされている金額はわかってるだけで、5億円以上。しかも、競走馬の購入、不動産、女って、絵に描いたような使い道。 総力戦で「石つぶて」を当てるようにして、少しずつ事件を立件に導く刑事たちの執念。損得で動かない人たちが世の中にはいて、その人たちが守ってきたものは確かにあると感じられる重厚な内容。https://chirakattahondana.com/石つぶて-警視庁-二課刑事の残したもの/

2018/08/07

おいしゃん

熱いノンフィクションを書く清武さんが、刑事を題材にしたら、面白くないはずがない。外務省の機密費というパンドラの箱を切り崩した捜査二課刑事たちの、熱いドラマ。

2018/02/26

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