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有楽斎の戦

有楽斎の戦

有楽斎の戦

作家
天野純希
出版社
講談社
発売日
2017-08-23
ISBN
9784062207119
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有楽斎の戦 / 感想・レビュー

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ナイスネイチャ

図書館本。書き下ろし2作品以外は「決戦シリーズ」で既読。戦が嫌でしょうがない信長の弟有楽斎。茶の世界に心奪われ、茶の為に生きていく。当然その時代、戦が得意ではない人物はたくさん居ただろう。幸いにも信長の弟に産まれ、そのあとも関ヶ原、大阪の陣と家康に付いていく強かさ。ある意味成功者かも。

2017/11/26

巨峰

これはかなり特異な歴史小説だと思う。本能寺の変・関ヶ原の戦い・大阪の陣といった大戦を、織田信長の弟で茶人として名高い織田有楽および鳥井宗室・小早川秀秋・松平忠直の目を通して描く。読み終えて気づいたのは、この作品を通して有楽の成長を描いているということだ。本能寺の変の頃はただ逃げるしかできなかった有楽が関ケ原では自分のために戦い、そして、大阪の陣においては姪の茶々やその子秀頼の命を助けるために策を練り、和平工作を進める。かれを成長させたのは、欲ではなく、茶の湯に対する執着。よく言えば拘りだろうか。

2018/12/28

万葉語り

本能寺、関ヶ原、大坂という日本史の中でも動乱の時代に生きた信長の弟で戦ぎらいの数寄者有楽斎と、博多の豪商島井宗室。天下の裏切り者小早川秀秋。家康の孫本多忠直というマイナーでイケてないけど時代をしたたかに生き抜いた人々を書いた連作短編6編。多分他の作品では脇役として読み飛ばしてしまうような主役にもストーリーがあるのだと思った。決戦シリーズ読んでみようかなと思った。2018-2

2018/01/02

星群

戦国の世に、怯えて、喚いて、逃げる、何としてでも生き延びたい、そんな考えを持った武将がいた事を知りました。しかも、その人は覇王織田信長の弟だったなんて、色んな意味で面白いなと思いました。他に印象的だったのは小早川秀秋。ひ弱な裏切り者の印象が強いけど、その彼が「戦狂」としてかかれていて興味深かったです。

2021/10/01

pohcho

織田信長の弟有楽斎を主人公にしたものの他、計六編の短編集。四編は「決戦!」シリーズに掲載(私は未読)。信長の弟でありながら、吐き気を催すほど戦が嫌いな有楽斎。茶の湯の世界に魅了された彼は、本能寺の変を生き延び、その後関が原、大阪の陣という激動の時代を生きる。ずるいし、かっこ悪いし、やっていることは滅茶苦茶なんだけど、どこか憎めない有楽斎の姿が印象的。昔行った犬山城の有楽苑を思い出した。小早川秀秋の話も面白かった。裏切り者のイメージしかなかったけど、こんな描き方もあるのかと新鮮だった。

2017/12/09

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