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鳥獣戯画

鳥獣戯画

鳥獣戯画

作家
磯崎憲一郎
出版社
講談社
発売日
2017-10-31
ISBN
9784062208079
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鳥獣戯画 / 感想・レビュー

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ゆうゆうpanda

初めて読む作家さん。句点で文章をでつなげて行く独特の書き方。息継ぎができなくて、急がされているようで、最初は物語に入っていけなかった。主人公がリレー式で替わっていく所も含め、巻物を意識した構成なのかと分かってきたら受け入れやすくなった。後半の作者自身の青春時代のエピソードになってからは引き込まれるように読んだ。年齢も近く、私も上野界隈の中高に通っていたので、土地勘や時代の雰囲気がとても良く分かり、共感できたのだ。作者をとても身近に感じられて面白かった。最近知ったのだけれど…中学の同級生の兄上なのだそうな。

2020/02/12

メセニ

気ままというのかほとんど行き当たりばったりに思える自由で軽妙な語りのその調子に身を任せる。これがなんとも心地よい。語り手である小説家と偶然出会う女優とのエピソード、これが気がつけば800年の時を遡り、どんどん連想していく。「鳥獣戯画」の如く異なる話が時間と空間を越えて移ろい、しかしそこには私たちの怒りや苦悩が絶えず内声として聴こえる。脈絡なく思えた筋書きにも一貫した思いが連綿とあることを悟り、それをゆっくりと受け入れ肯定していく語りに力を感じる。これは救いだろうか?初めての作家だったが他も読んでみたい。

2018/01/10

けろりん

タイトル、装幀に惹かれて。ー凡庸さは金になる。それがいけないー「私」は、愚かさに対する身を焼くような怒りに駆られながら、道を急ぐ。長い段落で構成された章。地の文と、会話文は、行を改めずなだらかに繋がって綴られる「鳥獣戯画」を所蔵する高山寺を再興した明恵上人の生涯、美しい女優の半生、「私」の来し方。題名となった絵巻の、色々な場面が区切られる事無く連綿と描かれていく様を見るよう。物語に翻弄され、さながら裏見返しの、ころりとひっくり返されたかえるになった気分。何とも経験したことのない読後感。

2018/03/12

まみ〜

28年の会社員生活の後に小説家になった男(作者本人がモデルかな❓)の語りで進む📖喫茶店でいきなり声をかけてきた美人女優(かなり年下😵)との秘密の京都旅行から、その京都での行先に選んだ、鳥獣戯画が保存されている高山寺の再興の祖・明恵上人の半生、さらには男の青春時代の話まで、とりとめもなく綴られていく📖 来週、大阪の「鳥獣戯画展」に行くので、知識の足しにでもなれば、と思って読んだのですが、非常に読みにくかった😅💦(しかも鳥獣戯画に関することは少ない😓)だから芥川賞はニガテなんだ💥(偏見(笑))

2019/04/07

ぽち

この本を読み終わった今日は2017年11月26日で、あと7分で日付けがかわる、27日には磯崎(本当はこの崎、ではなく作りのぶぶんは立の下に可がドッキングしたものであることに、今作で初めて気づいた)さんと円城塔さんのトークイベントが新宿紀伊國屋で行われる、わたしはそのイベントの入場整理券を持っているので、読中特に読み応えを感じながら読んでいた鎌倉時代の僧侶明恵上人のパートなどではトークイベントで質問コーナーなどあった場合に備えるような心づもりで、小説の技法的なことを考えながら読んでいた、

2017/11/26

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