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「国境なき医師団」を見に行く

「国境なき医師団」を見に行く

「国境なき医師団」を見に行く

作家
いとうせいこう
出版社
講談社
発売日
2017-11-30
ISBN
9784062208413
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「「国境なき医師団」を見に行く」のおすすめレビュー

生きることは難しい。けれど人間には仲間がいる――いとうせいこうが「国境なき医師団」の活動に同行しとらえた、「世界の今」と「人間の希望」

『「国境なき医師団」を見に行く』(いとうせいこう/講談社)

 あなたは「国境なき医師団」について、どんなイメージを持っているだろうか? おそらく多くの人は“紛争地帯で医療活動を行う国際的人道組織”と、なんとなくとらえているくらいだろうか。このほど出版された、作家・クリエーターであるいとうせいこう氏の新刊『「国境なき医師団」を見に行く』(講談社)は、彼らが活動する世界のリアルな実情を紹介すると共に、なぜ自ら「困難な地域」に率先して出向くのか、彼らを駆り立てるものは何か、そして私たちに何ができるのか? という問いにヒントをくれる一冊だ。

 国境なき医師団(MEDECINS SANS FRONTIERES=以下MSF)は、1971年にフランスで発足し、紛争や自然災害の被害者、貧困などさまざまな理由で保健医療サービスを受けられない人々の緊急性の高い医療ニーズに応えることを目的とした民間・非営利の国際団体だ。現在、世界各地に29の事務局を設置し、約70の国と地域で活動を行っている。実は日本にも1992年に事務所が開設され、これまで107人のスタッフを各地に派…

2017/12/3

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作家・いとうせいこうが語る「国境なき医師団」の現場とは?

『「国境なき医師団」を見に行く』(いとうせいこう/講談社)

「国境なき医師団」に同行してハイチ、ギリシャ、フィリピンなどを訪れ、現地で彼らがどのように活動しているのか、彼らがどういった経緯でこの活動に参加するに至ったのかをまとめた『「国境なき医師団」を見に行く』(講談社)が発売中の作家・いとうせいこう氏が、未来を生き抜く智恵を探るラジオ・プログラム「未来授業」に、2月5日(月)~8日(木)登場する。  現地での出来事から、今の日本社会が抱えている問題点に至るまで語り尽くす番組だ。

■「誰を助けて、誰を助けないかなんて線引きしていられない。シンプルなんです」

 著書『「国境なき医師団」を見に行く』では、いとうせいこうが医師団に同行し、地震や台風など災害の被害が大きかったハイチ、シリアからヨーロッパへ向かう難民たちであふれかえるギリシャの難民キャンプなどを訪れた。  彼らが現地でどのように活動し、さらに彼らがそれぞれどのような経緯で活動に参加するに至ったのかを丁寧に取材している。 【本書のレビューはこちら】

「現地での様子を報道する、というのではなく、医師…

2018/2/4

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「国境なき医師団」を見に行く / 感想・レビュー

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naoっぴ

著者はジャーナリストではないし、MRF(国境なき医師団)の活動に対して専門的知識があるわけでもない。一個人としてMRFの現場で感じたことをそのまま書いた紀行本のような一冊。だから却って難民や貧困層の人道支援に対し構えることのない等身大の感想で身近だった。どこにでもいる普通の家庭の人がある日を境に命が脅かされ難民となること。もしかしたらその困難の人は自分だったかもしれない。そしてよくぞ困苦を生き抜いたという畏敬の念。“他者ではなく自分”そんな気持ちが人を支援に向かわせるということを教えてもらった。

2018/01/29

けんとまん1007

飾られたものではなく、実際に自分の眼で見て、肌で感じることの重要さが滲み出ている。自分の生活も楽しむ一方で、ほとばしるような思いと、凄まじいばかりのエネルギーを持って、本能的に一人の人間として活動する人たちがそこにいる。しかも、対象となる人々への尊厳を大切にし、それを前提としての活動。本文中に何度か出てきたフレーズ「今の日本人が無くしたもの」・・・これが、すべてを物語る。勇気が出る1冊だ。

2018/05/09

テクパパザンビア

面白かった。『国境なき医師団』のメンバーや活動に敬意を表させてもらいます。たまたま彼らだった私&難民の方々&人のためになりたい…ただただ頭が下がります。私もそろそろ誰かの役に立つ頃だとは思ってるんですが何も出来ない情け無い無力を痛感します。

2020/04/20

こばまり

ジャーナリストでなく作家によるルポルタージュのグルーヴが私にはしっくりきた。内情を知るよい機会になった。今般のコロナ禍でも世界各地でさぞやとホームページを確認したら、長崎に停泊していたイタリア籍クルーズ船や杉並区でも活動していた。頭が下がる。

2020/07/12

ぶんこ

『国境なき医師団』は、災害地へ短期間派遣されて行く医師、看護師のことと思っていました。災害だけではなく、紛争地での難民援助は医療だけではありませんでした。大震災後のハイチ、ギリシャでは中東やアフリカからの難民援助、フィリピンでの貧困、ウガンダの南スーダンからの大規模難民援助。そこには医療はもちろん、性暴力からの心身両面からの保護、バースコントロール。そして創り上げた援助体制を現地の人自らが運営するまでを目指す。いとうさんの文章の隅々にまで援助をされる方、与える方への尊敬の念がうかがえて感動しました。

2021/05/22

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