知の教科書 フーコー (講談社選書メチエ)
知の教科書 フーコー (講談社選書メチエ) / 感想・レビュー
蛸
おそらく日本語で書かれたフーコーの入門書の中では最も易しい一冊。フーコーの伝記的事実をさらいつつもその思想の特徴がとても平易な言葉で解説されている。ゴシップ的な興味を惹くエピソードも多くそこも面白い。サルトルとの有名な論争の件を読んで、そこにはサルトルとフーコーの「主体」概念の捉え方の対立があったいうことがよくわかった。しかしそれにしてもフーコーの、サルトルに対する煽り=「二十世紀を考えるために、十九世紀の人間がしている壮大で悲壮な努力」は切れ味が鋭すぎる。フーコーの見取り図として最適な一冊。
2020/04/30
非日常口
フーコーの著作より経歴の方が前半はメイン。精神史観のように当時のバックグラウンドを考えつつ著作にあたることの大切さを改めて感じさせられる。学校は軍隊システムの援用であり、一種の権力構造と集団行動における自責の念を植え付けられる。自白とは何か。17司法の時代から18c政治の時代への変容など、フーコーのとっかかりくらいにはなると思う。
2013/05/09
ぬ
【図】知の考古学者、ミシェル・フーコーの半生、思想、著作を分かりやすく解説した教科書。 フーコーが生きた時代背景を解説しながら、フーコー自身どんな生涯を送ってきたことや、フーコーの思想のキーワード(アルケオロジー、パプティノコンetc・・・)や著作解題がとても分かりやすい言葉で解説されていて難なく読み進めることができた。巻末の『知の道具箱』には、解説付きのブックガイドが掲載されているのがとても良かった。 この本で全てが分かるわけではないが、フーコーの思想を一から学ぶ一歩として良い一冊。
2011/06/27
pon
晩年のフーコーから「なんじ自身に気を配るべし」、「自分自身をひとつの芸術作品としてつくりだすべき」という言葉が出てきて、他の人が言ったらたぶん引っかかることなく流す言葉だと思うのですが、グッときました。このように属する言説編成体(大雑把にいえば言葉の背景をなすシステムのようなもの?)が異なると同じ言葉でも意味内容が変わるのだと、本書の『知の考古学』の解説箇所に書かれておりました。
2017/05/19
帝
うーん。少しエピソードが多すぎると思いました。フーコーが歴史家(?)として有名だからかも知れませんが、フーコーの個人的な「歴史」が多すぎて、思想的な解説は少なかったです
2010/11/04
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