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天使の耳 (講談社文庫)

天使の耳 (講談社文庫)

天使の耳 (講談社文庫)

作家
東野圭吾
出版社
講談社
発売日
1995-07-06
ISBN
9784062630160
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天使の耳 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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Tetchy

交通事故という、通常のミステリで起こる殺人事件よりも非常に身近な事件で、それが非常に新鮮だった。個人的に好きな作品は「分離帯」、「通りゃんせ」、「捨てないで」の3編。特に「捨てないで」は先が読めないだけに最後の皮肉な結末にニヤリとしてしまった。いやあ、しかし交通事故だけに絞ってもこれほどの作品が書けるのかとひたすら感服。その読みやすさゆえに物語のフックが効きにくく、平凡さを感じてしまうが、実は完成度は非常に高い。軽い読後感が私を含め本書の評価をさほど高くしていないのがこの作家の功罪か。

2010/05/22

Kircheis

★★★☆☆ 『信号無視』『大通り横断』『初心者イジメ(煽り運転)』『路駐』『ポイ捨て』『右側通行』から起きる事件を書いた6篇が収録された短編集。 この本が書かれた当時は飲酒運転ですら割と平然と行われていた。今から考えたら違和感のある話もあるが、初読時はすんなり読めてたと思う。時代の流れを感じます(^^;) 一番のお気に入りは『分離帯』かなぁ(人気ないけど笑)。 体張った復讐は現実にもありえるだけにリアリティー満点だ。

2019/02/13

takaC

交通事故は十分ミステリになるもんだね。『通りゃんせ』、『捨てないで』は、あまり交通警察とは関係ないけれど。だから改題したのかな。

2008/01/24

ノンケ女医長

交通事故を主題にしたミステリー小説。当事者や警察が大いに奮励し、事件解決へ結び付けたのか。今と違いドライブレコーダーが浸透していなかった1990年当時は、大変な努力が必要だったんだなとしみじみ感じながら読んだ。煽り運転をされてしまい、ついスピードを出し過ぎてガードレールに激突し、死ぬ思いを経験した看護師。その憎しみを返す信念が、凄まじい。交通事故が、いくつもの軋轢と破壊を生み出すと、著者は警鐘を鳴らしてくれたのかもしれない。

2023/02/26

夢追人009

東野圭吾さんの交通事故犯罪小説で読後はダークな後味を残しながらもギリギリ最悪にはしない絶妙な味のブラック短編集です。『天使の耳』ユーミンの名曲が鍵という粋な演出で彼女は天使か?それとも悪魔か?『分離帯』刑事は最後に正義を選ぶか?情を選ぶのか?『危険な若葉』悪質な煽り運転被害者の反撃。『通りゃんせ』路上駐車が原因となった痛ましい悲劇。『捨てないで』ポイ捨ての缶が当って片眼を失明はバッドミラクルですが、如何なる形にせよ悪人が滅ぶのは必定の運命ですね。『鏡の中で』オリンピック選手の事情は偶然今が旬の話題ですね。

2019/11/10

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