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小石川の家 (講談社文庫)

小石川の家 (講談社文庫)

小石川の家 (講談社文庫)

作家
青木玉
森まゆみ
出版社
講談社
発売日
1998-04-15
ISBN
9784062637466
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小石川の家 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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fubuki

かなり以前の【再読】その時は読み切れなかった。あまりにもしつけが厳しくて、誉められることがない、切なかった。でも再読のお蔭で(こっちも歳を重ねて)、愛おしさや懐かしさが込み上げてくる。家の中の所作一つとっても、確かにそんな一時代があったのだ。尊敬して止まない祖父であり、愛してい止まない母の姿が見られた。今なら家族の「暴力」で一括りにされてしまう状況でも、相手を尊敬し想う気持ちが家族をつなげている。そして、今ではすっかりなくなったご近所付き合いも。いい話に出会えた、感謝。

2020/02/02

千穂

母幸田文、祖父幸田露伴の思い出を綴る。大変厳しいお宅で戦前戦中を玉子さんは送ったんだなあと。クスッと笑える思い出話も一杯。母の死の場面は涙が溢れた。図書館で借りて読んだが手元に置きたい一冊。

2016/11/30

ホースケ

昨今の子育て「褒めて育てる」とは対極とも言える、祖父 幸田露伴と母 文と共に著者が過ごした日々の回想録。絶対的な存在である露伴に逆らうことは許されず、理不尽とも思える物言いや要求にもひたすら耐える文と著者の姿は、時代が違うとはいえ理解の範疇を超えていた。特に長野への疎開の場面はよくぞ耐えたと思うほど辛すぎた。しかし、どこかあっけらかんとした粋な文章がとても心地よく、昭和十年代の季節ごとの準備や生活、情景が鮮やかに蘇ってくると同時に、便利にはなっても季節感も曖昧な現代の生活の味気なさをつくづく感じていた。

2019/01/21

みずいろ

あまり余計なことを描かず、事実だけを丁寧に写しとっていくような筆致が心地良かった。「父・幸田露伴」ではなく、「作家・幸田露伴」を本気で守り抜こうとした文の覚悟が、様々なエピソードを通して伝わってきた。母の葬儀を終えた後の「久びさに見る望の月だ、何て穏やかないい暮れ方だろう、思いが和んで立ちつくしていた」という美しい文章に心が揺さぶられた。本気で愛して本気で憎んで、作家というものは、家族というものは、本当に厄介だ。けれど文章から立ちのぼる思い出は、切なかったり楽しかったり、とても味わい深いものだった。

2014/03/15

naotan

『帰りたかった家』でも感じた母親、幸田文の偉大さに改めて唸る。対して玉さんは可愛らしい感じなんだけど、もうかなりお年を召しているんだよなあ。お年玉の思い出が素敵。

2015/11/29

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