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ゆるやかな絆 (講談社文庫 お 2-8)

ゆるやかな絆 (講談社文庫 お 2-8)

ゆるやかな絆 (講談社文庫 お 2-8)

作家
大江健三郎
大江ゆかり
出版社
講談社
発売日
1999-09-01
ISBN
9784062646345
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ゆるやかな絆 (講談社文庫 お 2-8) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

単行本の刊行は1996年(大江61歳)。『恢復する家族』とセットになっているようで、そちらを先に読むべきであったか。本書には大江夫人のゆかりさんの画が何点か付されていること、また小説の形式を取らずエッセイとして書かれていることなどが、これまでとは異なっている。また、『静かな生活』のマーちゃんによる語りが二重の仮構であったことが明かされる。大江は「小説の秘密は、それがどのように語られるか、につきる」と述べているが、まさしくそれは大江文学の本質を明かすものであると思う。文学は「いかに語るか」なのである。

2019/01/26

金吾

家族特に長男との交流が読んでいて心地よくさせてくれました。様々な事柄に対する静かな感覚を持っているようにも感じました。

2022/08/16

HIRO1970

⭐️⭐️⭐️子供の頃、父の書棚に沢山の大江さんの本がありましたが、題名からして難解な物が多く、手に取ってみようと思った事は皆無でした。それから40年程経ちますが、大江さんは超難解と言うイメージが刷り込まれ一度も眼を通した事はありませんでした。この本は20年程前の物ですが、小説では無くエッセイで、ノーベル賞受賞の翌年の当時60歳の著者が考えたり感じたりした事を割と明け透けに語っており、平易で分かりやすい内容でした。客観的に人や物や状況を視る訓練を長年して来た人の文章を読むのは自己啓発本よりも刺激になります。

2015/05/02

Jonathan Trotz

久しぶりに再読。僕の持っている作家さん直筆サイン入りの唯一の本なので、非常に思い入れのある一冊です。これからどうやって生きていこう、どういう姿勢で物事に対処していくことを基本にしようか、そういった生きていく上での根本の所で迷った時に読み返しては、それまで気づかなかった、あるいは忘れていた自分のベースにある考え方(そうだ、僕はこういうことを基本にすえて生きていこうと決めてたはずだというような)を再発見させてくれます。

2012/04/08

belier

『恢復する家族』の続編エッセイ集。家族を虚構化せず描いていて、優しさが漂う。ただ、この続編はいつもの文体に戻っているため、前作からの読者は面食らったらしい。さて人間の死について、こう考えているとある。「僕らの魂は、この肉体をはなれ、さらに、この世界からも卒業してしまう。しかし、それはすっかり無に帰してしまうというのではなく、つまり、生まれてなかったと同じになるのではなくて、ある場所にゆくことだ。」大江さんは今月3日に88歳で卒業された。読書人として勝手に私淑する師と仰いでいた。残念。ご冥福をお祈りします。

2023/03/16

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