KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

A2Z (講談社文庫)

A2Z (講談社文庫)

A2Z (講談社文庫)

作家
山田詠美
出版社
講談社
発売日
2003-01-15
ISBN
9784062736237
amazonで購入する Kindle版を購入する

「A2Z (講談社文庫)」の関連記事

山田詠美さんの『A2Z』で知った愛のかたちは驚きだった。杉田陽平を形作った小説たち/杉田陽平の「妄想力が世界を変える」④

『バチェロレッテ・ジャパン』で杉田陽平さんが注目された理由のひとつに、福田萌子さんに贈る言葉の美しさがありました。杉田さんの言葉はどれも紋切り型のものではなく、情熱的な愛情表現。そんな彼の言葉や感性はどのように育まれたのでしょうか?

 杉田陽平さんのパーソナリティを深掘りする連載。第4回は彼が影響を受けた作家やそれにまつわる思い出についてです。

女性の脳ってすごいなあ、って思っていた

 杉田さんに影響を受けた本を聞くと、山田詠美さんの『ファースト クラッシュ』や江國香織さんの『東京タワー』を本棚から出してきてくれました。そこにあるのはどれも女性作家の本ばかり。杉田さんは並ぶ本を眺めながら「たぶん僕は女性に憧れているんです」と言います。

「女性ってすごいなあって思うことが多いんですけど、僕は女性になることはできないから、女性作家の目を通して世界を見てみたいのかもしれないです。どういう風に脳が働いていて、どういう風に世界を見ているか気になるし、僕にとっては瑣末だと感じるようなことに驚くほど多角的に、瞬間的に感じることができて、語っていたりする。それがすごく…

2020/12/4

全文を読む

関連記事をもっと見る

A2Z (講談社文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

山田詠美の作品は、これまでランダムに読んできたので(これが13作目)、作風の変移はわからないのだが、これまでに持っていた印象からすれば、この小説は新たな試みであったのではないかと思う。つまり、これまでに読んだ彼女の小説では、男女の関係性においてセックスやボディそのものが作品の中で大きな比重を持つというか、それが必須のものであったように思われる。ところが、ここでは肉体そのものではなく、むしろ観念こそが小説世界を支配しているようである。とりわけ、夏美と一浩のそれぞれに身勝手な行為と、その関係の在り方において。

2014/12/28

さてさて

『別々の出版社に勤め、たまに同じ作家を担当することもある』という夏美と一浩が”W不倫”をする中に夫婦という関係性を続けていく様が描かれるこの作品。そこには、夏美視点から見る夫・一浩と、恋人・成生への心の揺らぎが鮮やかに描かれていました。『a』から『z』を頭文字に持つ英単語が物語に絶妙なアクセントを与えていくこの作品。『恋』とは何か、『愛』とは何か、根源的な言葉の意味を読者に問いかけもする、美しい表現の数々に彩られたこの作品。洗練された大人の”恋愛小説”を強く感じさせてもくれる素晴らしい作品だと思いました。

2023/05/23

パトラッシュ

「幸福な結婚を維持している夫婦は恋愛よりハイレベルな友情という人間関係を築いているから」と何かで読んだことがある。たとえ恋愛結婚した夫婦でも、互いに尊敬と信頼に裏打ちされた親友のような関係への移行が必要なのか。夏美と一浩は子供が生まれなかったせいもあり結婚生活で恋愛から友情へとステップアップできず、それぞれ別の恋愛を見つけてしまった。共に新しい相手に本気になりかけたが、十数年も一緒に暮らした経験から知り尽くした関係へ戻る道を選んだ。これが大人の狡さなのか、大人になり切れない人間の醍醐味なのかわからないが。

2021/02/07

mura_海竜

不倫もの。山田さん初読み。夫の一浩から妻夏美に他の女のことを打ち明けられる。夏美も坂上成生と付合う。緩い感じであまり深刻にならないで読めた。実際はとても深刻なことなのだろう。恋愛は不自由。恋は束縛を伴うし、自己中心的。愛は無料奉仕、人へのサービスを主眼とする。ラブアフェアと聞いてブライアンアダムスを思った。

2014/06/04

じいじ

実生活では体験不可能なW不倫も、小説なら存分に堪能できます。恋の火遊びは相方にはバレないようにするのが、夫婦間の基本原則でしょう。こちらの夫婦は、妻の方が役者が一枚上です。夫はすぐにボロを出しましたが、妻は10歳年下の恋人ができてもマル秘を貫きます。途中、別れるのではないかと何度も思いましたが、二人ともその気はないようです。仕事でも編集者として、しのぎを削るライバル同士、お仕事小説しても面白いです。こんな軽妙洒脱な恋愛小説書く山田詠美を改めて見直しました。愉しい読書ができました。

2020/09/14

感想・レビューをもっと見る