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蔓の端々 (講談社文庫)

蔓の端々 (講談社文庫)

蔓の端々 (講談社文庫)

作家
乙川 優三郎
縄田一男
出版社
講談社
発売日
2003-04-15
ISBN
9784062737135
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蔓の端々 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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nakanaka

隣家の幼馴染・八重と夫婦になろうとしていた下級武士・瓜生禎蔵であったが、親友の黒崎礼助と共に八重は出奔してしまうというというなんとも衝撃的で胸が苦しくなってくる始まりのこの作品。信頼していた二人が禎蔵を裏切るかたちで出奔した理由が話の軸になっており、その中で藩内の様々な思惑に禎蔵たちは否応なしに巻き込まれていきます。時代小説にはよくある藩内の抗争に振り回される者たちを蔓の端と表現する辺りが秀逸ですね。今までの乙川作品に比べて重苦しい感じがしましたが逆に現実味があり面白かったです。

2018/11/12

キムチ27

江戸期・・舞台は新発田藩辺り。お定まりのお家騒動、そして粛清と論功褒賞。トカゲのしっぽ切り、この作品では蔓。ヒットマンでは情趣が寒く、巧い言い方だ。杉や桐は下草が見えない、もっとも下を向いてばかりでは歩けまいが。主人公禎蔵は父子2代、そういった生き方を強いられた。同じ匂いを持つ礼助、そしてともに消えた八重。巻末、来し方を思い巡らせのシーンがある。やはりこんなシーンは西島さまと木村多江だなぁ~。ストイックとはこのまざれどもならざるを得まい。養父が逝く前に彼に「忘れろ」と言葉を投げる。

2014/06/01

ふじさん

瓜生禎蔵の過酷な運命の物語。藩内の抗争に巻き込まれ、人生を左右されがらも一つの思いを胸にひた向きにに生きる禎蔵や不条理な武家社会に様々な思いを抱きながらも強く逞しく生きる下級武士の姿が描かれた作品。いつもながら彼の作品は、読んでいると暗い気持ちになるが、登場する人物に寄せる作者の温かい眼差しとどんな苦しい状況でも果敢に歩みを進める人々の姿が最後に描かれているのがせめてもの救いだ。

2020/03/09

MIKETOM

ほんの小さな藩の権力闘争に否応なく巻き込まれ、捨て駒、トカゲの尻尾、鉄砲玉にされてしまった末端の悲劇を描いた作品。乙川作品としては珍しい展開。負けた側についた者は家族も含めて厳しい粛清が待っているが、勝った側についた者も、終わってしまえば用無し状態で利は僅かな上層部が独り占め。まあ、それでも強く生きようとする末端の生き様ではあるが。八重の失踪の理由がラストで明かされる。これは『喜知次』のような劇的な真相かと期待したが平凡な結果だった、残念。でもラストは希望の芽と共に帰郷する。最後のわずかな救いが乙川流。

2019/11/14

にんじん

晩年の父から子への、明日を思って生きろ、の言葉がずっしりと響きます。全体的に重苦しい雰囲気で占められている作品でしたが、希望を感じる終わり方で読後感は爽やか。やはり乙川作品は素晴らしいです。

2017/05/18

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