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すべての雲は銀の… Silver Lining〈下〉(講談社文庫)

すべての雲は銀の… Silver Lining〈下〉(講談社文庫)

すべての雲は銀の… Silver Lining〈下〉(講談社文庫)

作家
村山由佳
北上次郎
長崎訓子
出版社
講談社
発売日
2004-04-15
ISBN
9784062747547
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「すべての雲は銀の… Silver Lining〈下〉(講談社文庫)」のおすすめレビュー

長野県菅平の宿に集まる、痛みを抱えた人々。村山由佳による再生の物語『すべての雲は銀の…』

『すべての雲は銀の…』(村山由佳/講談社)

 村山由佳氏による小説『すべての雲は銀の…』(講談社)が出版されたのは、2001年11月。今からおよそ20年あまり前になる。私が著者の作品にはじめて出会ったのは、高校生の頃だった。最初に出会った作品は『翼 cry for the moon』で、私の人生を大きく変えた一冊だった。以来、著者の作品を追い続け、本書も出版されてすぐに手に取った。狭いワンルームで布団にくるまり、貪るように頁をめくり、気が付いたら朝だった。何度読み返したかわからない。表紙は色あせ、本の上部は傷んでいる。手を伸ばす頻度の多い物語ほど、美しい装丁を保つのは難しい。

 本書の主人公である大和祐介は、恋人の裏切りに深く傷つき、身も心も打ちひしがれていた。そんな折、祐介は友人・高橋からアルバイトの打診を受ける。バイト先は、信州・菅平にある宿「かむなび」。恋人の面影が濃い大学生活を捨て、「かむなび」で過ごす決意をする祐介。その先で彼を待っていたのは、笑顔の奥にそれぞれの痛みを抱えて生きる人々との出会いだった。

「かむなび」は、宿であり、食事処で…

2023/3/3

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すべての雲は銀の… Silver Lining〈下〉(講談社文庫) / 感想・レビュー

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りゅう☆

花綾と新たな恋に発展してほしいなと思いつつ、なかなか元彼女を忘れられない祐介。ヒドい裏切りに心の傷は早々に癒えないし、しばらく恋はしたくないっていうのも分かる。いいんじゃないかな?私の器が小さいのもあるけど、由美子の言い分には「いい加減にしろっ!」って思った。そこは祐介に肩入れするけど、兄登場からの終盤の急展開にはちょっとついて行けず。高橋や誠一の存在も何だか中途半端に感じたし。あくまでも自己中心的な感想だけど、自分の思い描いてたモノと違ったので私の中で不本意というかモヤッとした感情が残ってしまったかな。

2018/06/11

紫 綺

再読。大学生「祐介」の再生&成長の物語。文中のEvery cloud has a silver lining.『どんな不幸にもいい面はある』は、ためになる深い言葉だ…。不幸をばねに幸せになろう♪

2012/12/02

まさきち

弟の恋人を奪っておきながら彼女を許してやってくれと言いに来る兄、そして裏切っておきながら勝手に罪悪感にさいなまれている由美子への嫌悪感は消えなかった。そんな辛い状況を乗り越えて確実に成長し、最後に新たな一歩を踏み出そうとして祐介の姿に逞しくも清々しいものを感じて非常に心地のいい読後感を覚えた一冊。そしてそんな彼の成長をもたらした園主や瞳子、健太、桜に茂市っんなど周囲の個性的な面々も魅力的でした。加えて「おいしいコーヒーの入れ方」の続きへの期待も増してしまいました。

2018/04/06

mmts(マミタス)

フェイスブックだか読書メーターなのかうろ覚えだけど読友というのか読書家に教わりましたが大満足しました。この小説の主人公同様にとある大失恋して嘆き悲しみました。ですから、この小説をきっかけにとても救われました。最後の最後にタイトルの意味を知ったときはハッとしました。生きていれば笑うことも泣くこともあるでしょう。許すこともあるけど、しかしながら許されながら生きているかもしれませんから。前向きに生きたいと思いました。人生の岐路に迷ったときにはオススメだと思ってしまいました。私は瞳子さんのキャラクターが一番かと。

2016/11/27

カピバラ

はらー、そういうラストですか。瞳子さんとハッキリくっつくかと思ったのになぁ…。お兄ちゃんはちょっと自分勝手すぎるかなーと思いましたよ。桜ちゃんと、お母さんの和解のシーンにジンときたな。読後感は◎

2016/03/26

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